第四十一話 神戸でもその四
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「ここが先輩のお家のご近所で」
「いや、普通の場所じゃない」
「そうですけれどね」
「それでどうしてにこにことしてるのよ」
「それは先輩のお家だからですよ」
「それがどうしたのよ」
眉を顰めさせて言いました、本当に訳のわからない子です。こんな子ははじめてです。
「教会にはどの人でも来て欲しいのよ」
「僕でもですね」
「そうよ」
また言いました。
「だから案内させてもらうわ」
「はい、そこまでの道も案内して下さいね」
「さもないと迷子になりかねないし」
「実は僕方向音痴だったりするんですよね」
「何でそれで私と会うのよ」
そんな方向音痴の子が実家でも学校でもない場所で脳天気に一人で歩いているなんて無用心と思います。
「全く、これがお引き寄せならね」
「親神様に感謝します」
「訳がわからないわ」
またこう言いました。
「本当に」
「いやいや、それいいですよね」
「よくないわよ、とにかく行きましょう」
「はい、ところでさっきの先輩のご両親ですが」
「お父さんとお母さんがどうしたの?」
「お元気なんですね」
「見ての通りよ」
このことは普通に阿波野君に答えました。
「元気よ」
「それは何よりですね」
「ええ、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんもいるけれど」
母方のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんがです、父方のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんはお父さんの実家の方にいます。
「今は別々に住んでるの」
「そうなんですか」
「同じ神戸市内だけれどね」
「またどうしてですか?」
「二人共別の教会の会長さんになったからよ」
正確に言いますとお祖父ちゃんが会長さんになってお祖母ちゃんが奥さんになりました。
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