ついにその時が来るのか
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や……ゆきおから」
「ひー……ひー……!! お前らもうそんな関係じゃないだろ!? おなかいたい……おなかいたいぃぃい!?」
私達を眺めながら可笑しそうに笑ってる摩耶姉ちゃんはとりあえず置いておいて……私に会話の主導権を譲られたゆきおは、真っ赤な顔でしばらくうつむき……
「……」
「……」
「……ッ!」
多分本人は隠してるつもりだろうけど……テーブルの下で、ギュッと右手を握りしめたあと、ほっぺたが真っ赤な顔を上げ、ガタリと椅子から勢い良く立ち上がって、私の顔をまっすぐ見つめた。
「す、涼風っ!」
「ひ、ひゃい!?」
突然おっきな声で私の名前を叫ぶもんだから、すんごいびっくりしたぁ……。
「き、今日は、このあと、よ、予定、ある……かな!?」
「い、いや……とくに、ないけど……」
「おっ……これはひょっとして……? ニヨニヨ……」
「えと……じ、じゃあ……ッ!!」
「うん……?」
「こ、このあと……桜の木の下で……待ってるからッ!!!」
「え……」
ドキンてした。
「ゆ、ゆきお……」
顔が熱い……胸がドキドキする……でもそのドキドキが、とても胸に心地いいドキドキで……落ち着きたいけど、でももっとドキドキしたくて……恥ずかしくてゆきおの顔をまっすぐ見てられないけど……でも、綺麗でカッコイイゆきおを、ずっと見ていたくて。
「じ、じゃあ!! 待ってるからねッ!!」
「う、うん……」
すごくまっすぐな瞳で私を見つめながら私にそう言い放ったゆきおは、そのまま食べ終わったざるそばのお盆を持ち上げ、スタスタと逃げるように、食堂を駆け抜けていった。……内股で。
私は、そんなゆきおの背中を、ただ見守ることしかできなかった。
「おいおいこれは……ニタァ」
摩耶姉ちゃんが気色悪い笑みを浮かべながら、私と同じようにゆきおの背中を見守る。
「こりゃあひょっとしたら涼風〜。ニヤニヤ」
「ゆきお……」
ゆきお……ひょっとして……
……
…………
………………
――す、すずかぜっ!
――へ? ゆき……んっ……
………………
…………
……
「ふっ……く!! ふぬっ……ック!!」
ひょっとするとこのあと起こるかもしれない事態を思い浮かべて、自然と私の身体が不思議な踊りを踊り始める。
「ふぁ……ック!!」
「……なにやってんだよ」
そんな私の奇妙な動きを見て呆気にとられた摩耶姉ちゃんが、さっきまでのいやらしい笑顔をスウっと消して、とてもフラットな表情を私に向けた。
「いや、だってゆきおが……ふぬっ……ク!!」
「……とりあえずその気味悪いタコ踊りやめろよ」
私の頭の中の冷
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