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ゆきおがあたいにチューしてくれない
ついにその時が来るのか
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「ぁあ、さっき偶然いっしょになって……て、どうしたの?」

 その一方で、なんだかさっきから穏やかではない雰囲気を漂わせている榛名姉ちゃん。昨日から、比叡さんに対する榛名姉ちゃんの様子がなんだかおかしい。なんでだ?

「……比叡お姉様が年下が好きでも、榛名は別に構いませんが……」
「いやちょっと待って榛名。私、ホントに金剛お姉様一筋だから」
「比叡お姉様がショタコンでも、榛名は一向に構いませんが……ッ!」
「人の話はちゃんと聞こうよ榛名ッ!?」
「比叡お姉様にはすでに、弟兼恋人兼旦那様がいらっしゃるではありませんか……ッ!!」
「あの本の私と本物の私を混同しちゃダメだよ!?」

 わなわなと拳を握りしめながら榛名姉ちゃんは立ち上がり、ギンと比叡さんを睨みつけていた。その様はとても恐ろしくて……私と険悪だった頃以上の恐ろしい殺気が、姉ちゃんの全身からにじみ出ていた。

「比叡お姉様ッ!!」
「ひぇえええええええ!!? 勘弁してよ榛名ぁぁぁあああああ!!?」

 ついに爆発して比叡さんを追いかける狂犬の榛名姉ちゃんと、そんな榛名姉ちゃんに追い立てられ、お盆を持ったまま走り去っていく比叡さん。二人はばひゅーんと音を立て、食堂から走り去っていく。

「……」
「……」

 あとに残されたのは、呆気にとられた私と、顔がまっかっかなゆきお。そして、一連の様子を見て『榛名やべえだろ!! はらいてぇ!!? アヒャヒャヒャ……!!』と呼吸困難に陥ってる摩耶姉ちゃんの三人だ。

「えと……ゆきお」
「ん……ん?」
「とりあえず、座れば?」
「う、うん……」

 立ち尽くしてるゆきおに、座るように促した。ゆきおは顔を真っ赤にしながら、しずしずと私の隣に座る。

「よいしょ……」

 ……だからなんでそこで、ちょこんって女の子っぽく座るんだ?

「ちゅる……」
「……」
「ニヨニヨ……」

 なんだか榛名姉ちゃんみたいに、そばを静かに、可愛くすするゆきおの隣で、私はその様を眺める。

「……」
「……」
「ニッシッシ……」

 ……なぜだ。いつもなら特に意識しなくてもゆきおとは楽しくお話出来るのに、今日はなんだか会話に困る……。

「ちゅる……ごちそうさま」
「……」
「デュフ……オウフ……」

 お行儀よく両手を合わせてごちそうさましてるゆきおの顔は……なぜだろう? なんだかとても、キリッとしてるように見える。でも女子力は相変わらず高い……目、するどいけどうるうるしてるし。

「……あのさゆきお」「……あのさ涼風」
「!?」「!?」

 私とゆきおが同時に相手に話しかける。ゆきおも話しかけるタイミングを測っていたのか……

「え、えと……涼風から、どうぞ」
「あ、い
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