ついにその時が来るのか
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「はい?」
「「女子力……」」
「?」
私達の意味不明なコメントも涼しい顔で受け流し、美しい所作でざるそばを食べる榛名姉ちゃん……うーん……まさに大和撫子。
「なー榛名」
「ちゅるっ……はい?」
「なんか涼風がさ。相談に乗ってほしいことがあるらしい。あたしゃガラじゃねーし」
「へ? 榛名がですか?」
相談ってわけでもないんだけど……でも、摩耶姉ちゃんよりは、その方面では頼りになるかも……。
「なー榛名姉ちゃん」
「はい?」
少しだけ首をかしげた榛名姉ちゃんが、ふわりと微笑む。まるで桜の花が満開に咲いたような笑顔……すんごい綺麗。
私は、そんな榛名姉ちゃんの圧倒的女子力に屈しつつ、それでも負けじと自分も女子力を……いや、ないな……私と摩耶姉ちゃんは男子力に近いな……振り絞って立ち向かう。今しがた摩耶姉ちゃんにした話を、榛名姉ちゃんにもしてみることにした。
「えとさ。昨日のお風呂上りにばったりゆきおと出会ってさ」
「へえ〜。榛名が渡した電探カチューシャ、雪緒くんつけてました?」
「うん。すんげー似合ってた」
「やっぱり……雪緒くん、金剛型の装束が似合うと思ったんですよねー……」
ほっぺたをほんのり赤く染め、胸を張り、遠くを見つめる榛名姉ちゃん。そんな榛名姉ちゃんを見ながら、私の頭の中では、金剛型4姉妹と、同じく金剛型の装束を身にまとったゆきおがポーズを決めているという、妙な光景が繰り広げられていた。
――英国で生まれた、帰国子女の金剛デース!!
――金剛お姉様の妹分! 比叡です!!
――高速戦艦、榛名! 着任しました!!
――マイク音量大丈夫?
チェック……ワン……ツー……霧島です!!
――あの……こ、金剛型の……ゆきお……です。
でもなんでぼくが金剛型?
……やばい。なんかめちゃくちゃムカムカする。理由はよくわからないけれど、なんだかめっちゃムカムカする。私の想像の中でさえ金剛型の服が似合ってるのが、とんでもなくムカムカするんだけどこんちくしょう。
「榛名姉ちゃんッ!」
「はい?」
「ゆきおは白露型だぞッ!!」
「はぁ……」
「金剛型じゃないからなッ!!」
「わかってますけど……?」
『そんなとこでヤキモチやいてどうすんだよアヒャヒャヒャ!?』と笑いをこらえきれず、噴き出した摩耶姉ちゃんは置いておいて……でも摩耶姉ちゃんの言うとおりだな……とりあえず心の奥底のぷんすかをなんとか鎮めたあと、私は再び、榛名姉ちゃんにさっきの報告を行うことにした。
「それはそれとして……そのカチューシャのせいで、ゆきおのおでこが全開になってたんだよ」
「まぁ……カチューシャの目的がそれですから……」
「で、そのおでこがす
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