19 不登校
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て嫌味なところを軽蔑するべきか、火事にあった辛いことで憐れむべきか、分からなかった。
別の日、笹山は城ヶ崎と話をしていた。
「へえ〜、ピアノの発表会に着る新しい衣装買ってもらうの?」
「ええ、ウチのパパが買ってくれるんだって」
「凄いわね。今度見てみたいわね」
その時、リリィ、まる子、たまえ、そしてとし子が現れた。
「ねえ、ねえ、どうしたの?」
まる子が聞いた。
「城ヶ崎さん、今度のピアノの発表会の時に着る服をお父さんから買ってもらえるんだって」
「そう、城ヶ崎さん、良かったわね」
リリィが感心した。
「ふん、そんな贅沢できるなんて、君の家はどれだけ苦労を知らないんだろうね」
急に永沢が藤木と共に現れ、口出しした。
「何よっ!あんたには関係ないでしょっ!?」
城ヶ崎が永沢に対抗した。
「永沢、アンタ一々ケチつけんじゃないよ!」
まる子も永沢を非難する。
(ヤレヤレ、また喧嘩か・・・)
藤木は心の中で呆れていた。
「ふん、大体君は調子に乗りすぎなんだ!そんな簡単に欲しいものが手に入るなんて生意気すぎるぞ!!」
永沢が文句をつけた。
「うるさいわね、生意気になんて思ってないわよっ!!ウチのパパが買ってくれるって言ってたんだからっ!!」
「それなら君のお父さんはただの甘やかしすぎだよ!君のお父さんも現実を見たほうがいいんじゃないのかい?!なんでも欲しいものは買えばいいってもんじゃないんだ!!中には欲しくてもお金がなくて買えない人だっているんだぞ!!君にはそんな人たちの気持ちがわかるわけないだろう!?」
「それはちょっと考えすぎじゃないっ!?何もかも我慢しろっていうのっ!?」
「そうじゃない、ただ君は調子に乗りすぎているんだよ!!」
藤木は二人の口喧嘩を止めなきゃと思って心が焦った。
「あ、あの、二人とも・・・」
藤木は喧嘩を止めようとした。しかし、声が小さくて二人には聞こえていない。
「二人ともやめてよ!」
たまえが心配そうに仲裁に入った。
「そうだよ、永沢も文句言いすぎだし、城ヶ崎さんも相手にすることないよ・・・!」
とし子も困った顔で止めた。
「この金持ち女!これだから不自由ない奴は生意気で嫌いなんだ。僕の家みたいに火事にならなきゃ僕のような苦労はわからないだろうな!!」
永沢は自分の嫌な思い出となる「火事」の言葉を発した。
「な、永沢君・・・!?」
藤木は驚愕した。確かに永沢は火事に遭った。しかし、そのために火に用心するように皆に呼び掛けているのに人の家に火事になってしまえなど想像もできない発言をしたのだ。
「何よっ!?それどういう事よっ!?」
「君みたいな嫌な奴は火事になって何もかも燃えて失くなってしまえばいいんだ!そうすれば僕みたいな苦労がわかるだ
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