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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第103話:モブらはみんな生きている 六
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アローに、俺の気持ちを教えてみたんだ。
そしたら……『諦めた方が良いよ。アイツ付き合ってる男が居るから。因みに年上でエリートだよ』って絶望の底に突き落とされた。
エリートで年上って言ったら、凄い年上なんじゃないの!?
それってもう結婚してて、愛人として囲ってるとかしか考えられないんだけど!
そんな事を聞いちゃった俺は凄く落ち込んじゃって……
更なるドン底に落ちたい気分になって、例の新聞を片手に処刑のあった広場へ行ってみたんだ。
そこには既に何人かの人が暗い表情で佇んでいて、俺と同じ様に嫌な事があったんだと思われる。
誰も話しかけず、誰からも話しかけられないで、ただ黙って落ち込んでいると……
広場の入り口から格好いい人が近付いてきたんだ。
よく見るとティミー殿下だった!
王子様なのに護衛を付ける事無く、城下町の一角に突然現れた。
あまりの格好良さに嫌な事を全て忘れて殿下の姿を目で追ってると、一人の男性に近付いて行ったんだ。その男性は紫のターバンを巻いたハンサムな人で、王子様が近付いてきてるのに見向きもしない人だった。
殿下の存在には気が付いてるクセに、向き直って恭しくする事無くボーッと処刑のあった場所を眺めてる男。
俺のクラスの女子(マリーとリューラちゃんを除く)が時々会話してる内容の中で、『ティミー殿下とウルフ閣下って、どっちか格好いいかな?』だ。
見た目で言えばどちらもハンサムなんだろうけど、俺は断然ティミー殿下派だ!
ウルフ宰相は兄さんが『俺より年下なのに生意気なガキだ』って言ってたので、きっと本当に生意気でヤな奴なんだと思える。なんせあのマリーが好きな男なんだから、碌な奴じゃ無いだろう。
だけどティミー殿下は凄く優しそうだ。
前に城下町で偶然出会った時は、興奮して何も言えなかった俺に『こんにちは』って優しく微笑んで挨拶してくれたんだ。今だって殿下に反応しない男を見ても、嫌な顔一つせずに近付いている。
そう言えば、どっちが格好いいかの言い争いで『リュカ陛下が一番格好いい!』って言う奴が居る。
否定はしない。だって一番格好いいのはリュカ陛下なんだから。
でもそういう事じゃないんだよね。
もうリュカ陛下の格好良さって圧倒的なんだ。
論じる必要がない感じって言うのかな?
ティミー殿下だろうが、ランクは大幅に下がるウルフ宰相だろうが、勝負にならないんだよ。
だってグランバニアの王子様として生まれたのに、赤ん坊の頃から平民として育ち、自分の力で苦難を乗り越え王様にまで返り咲いた。それだけだって凄い事なのに、魔界にまで行って魔王を倒し、この世界の平和を取り戻しちゃったんだから。
しかも俺が生まれる前までは、グランバニアは小国として知られていたのに、リュカ陛下が色々改革を推し
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