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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第103話:モブらはみんな生きている 六
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侮辱罪になる発言を連発していた。

そんな事もあって、レクルト閣下の大出世を認めない人達が多数居るらしい。
最初の内は声高に文句を言ってたそうなんだけど、レクルト閣下を総参謀長に推薦したウルフ宰相が『能力のない阿呆共が、有能な者や努力を怠らない者に嫉妬するのは、何時の時代でも起こる事。嫉妬する力を自らの能力向上に向けられない愚か者共だ。軍部の人事異動が気に入らないのなら、即刻軍を辞めれば良い。辞めないでくださいと、泣いて頼まれるほど、能力は皆無なのだから、国家としては一切の痛手だとは感じない』って、軍人さんを大勢集めて嘲笑いながら言い放ったそうだ。

それ以来、レクルト閣下への文句を言う人は表面的には居なくなったけど、兄さんなんかは未だに家で愚痴を言っている。
以前はウルフ宰相が生意気だという愚痴が多かったけど、最近は二人の事を悪く言ってる事が多い気がする。
偉い人にバレないか不安だよね。

でもウルフ宰相は本当に生意気なんだと思う。
だって彼がグランバニアに来たのは6〜7年前……
陛下が他の国から連れてきたそうなんだけど。

いきなり国王秘書官に任命されちゃったんだもん。
凄く陛下はウルフ宰相を贔屓してると思う。
俺より少しだけ年上なのに、この国に来て直ぐに重要な役職を与えちゃうなんて……

そんなウルフ宰相と親しくしてたレクルト閣下だから、いきなりの大出世を果たし、その事に文句を言う人達をウルフ宰相が押さえ込んでるんだと思う。
でも、その事を愚痴ってる兄さんに言うと『そんな事はないんだ……ウルフ閣下が優秀なのは間違いない。陛下までも手玉に取っちゃうのだからな』って否定されるんだよね。

う〜ん……そうなのかなぁ?
絵の才能は凄いと僕も思うけど……
だってあの新聞の絵を全て描いたのはウルフ宰相なんだ。

上手いなんてもんじゃない。
あの光景がそのまま新聞に掲載されてるんだ!
臭いまで漂ってきそうなリアルな絵なんだよ。

因みに、城に住んでるマリーは時折会う事があるらしいのだが、常にウルフ宰相の事を『格好いい』とか『超天才』とか褒めまくってる。凄く好みのタイプらしく、他の友達と会話してて、ウルフ宰相の悪口を言うと聞きつけて激怒しながら文句を言ってくる。
性格が悪い者どうし気が合うのかもしれない。

でもマリーが俺等に噛み付いてくると、最近ではリューノちゃんが宥めに来てくれる。
以前のリューノちゃんは、少しツンケンしてて好きになれなかったんだけど、最近は優しくて可愛くて俺は彼女に話しかけられるのが楽しみになっている。

俺から話しかける勇気は無いのだけど、朝は必ず笑顔で『おはよう』って言ってくれるし、マリーが暴走してると止めに来て俺等を労ってくれるから好きなんだ。
だからよく一緒に会話してる
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