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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第103話:モブらはみんな生きている 六
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た人が大勢居た。
先生(優しい女の先生だ)も気が弱いからか、朝から真っ青な顔してたのを憶えてる。
そんな中、あの性悪マリーだけが平然としてた。
いや平然としてるだけなら問題無いんだけど、その日の朝に無料で配られた新聞を学校に持参して俺等の気分を悪くしたのだ。
その日の新聞には前日の処刑の光景が、凄くリアルな絵で掲載されており、ほぼ全てのページが同じ記事……つまり処刑の事を取り上げていたのだ。
元々気分が優れない者は、マリーの持ってきた新聞を見て早退したほどだ。
俺も凄く気分が悪くなったけど、その日の給食は大好きなプリンが出る日だったから、頑張って授業を受け続けた……でも、給食の時にまで新聞を広げてるマリーを見て(正確にはマリーの広げてる新聞を見て)食欲なんてなくなり、何も食べる事が出来なかったよ。
そのくせマリーは、『あら、みんな食べないのぉ? 余らしたら勿体ないじゃない。しょうがないわねぇ……私がお代わりしてあげる。でも1回だけよ……太っちゃうからね』と他の人の分まで食べてやがった。プリンなんかは5個も食べてたんだぜ!
アイツの性格の悪さを証明する話しはまだある。
早退はしないまでも、トイレに駆け込んで吐いてるヤツも大勢居た……
だから先生も新聞を持ってきた事を注意したんだ。
でもアイツは自分を正当化する天才なので、気の弱い先生じゃ言い負かされちゃうんだよ。
『先生、この新聞は国王陛下が唾棄すべき犯罪を国民に知らしめ、そして如何なる報いが訪れるかを解らせる為に急ぎ発行させた新聞なのですよ。善良なる国民の一人として、そして国民の模範として、あえて学校に持ってきたのです。その事に一体何の問題があると言うのですか!?』って言って、先生を黙らせてた。
詭弁だよ。
この性格の悪さ……
どんな親に育てられれば、これほど性格が悪くなるんだよ?
こんな性格が悪い女が、あんなにステキな歌を作詞作曲してるなんて信じられない。
同じクラスの友達は、みんなが『きっと本当はピエッサさんが作ってるんだよ』って言っている。
だってピエッサさんは芸高校に通ってる天才なんだ。
そんな天才が何でマリーのような性格の悪い女と組んでるのかは解らない。
もしかしたら、マリーはピエッサさんの弱みを握り、脅してコンビを組まさせたのかもしれない。だから本当はピエッサさんが作詞作曲してるんだけど、全部マリーの手柄にされてるんじゃないのかな?
あの女ならやりかねないよ。
城で働く兄さんも、マリーなんかよりピエッサさんの方が好きで、以前に城内カフェで寛いでる時に話しかけて、当時の軍務大臣秘書官だったレクルト閣下に怒られたそうだ。
怒られた数日は凄く反省してたんだけど、レクルト閣下がピエッサさんと付き合ってる事が発覚して、上官
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