706部分:第五十六話 劉備、張角と会うのことその六
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第五十六話 劉備、張角と会うのことその六
「茶でも飲みながらどうじゃ?」
「私達丁度そこのお店に入ろうとしてたところだし」
馬岱がそれを言う。
「どうかな、お茶でも飲みながら」
「あたし達さっきこのお店に入ってたけれどね」
ここでこう話す張梁だった。顔は店の看板に向けている。
「けれどここのお茶美味しいし」
「そうよね。また飲もう」
「それじゃあ」
張角と張宝も頷いてだった。そうしてだった。
一行はその茶屋に入って茶を飲みながら話をするのであった。劉備達が旅の話をして張角達がそれを聞く。そうしてだった。
張角がだ。目を輝かせて言うのだった。
「何か凄い旅だったのね」
「ううん、色々あったけれどね」
劉備は微笑んで彼女に言う。
「それでも。楽しいことは楽しいよ」
「私も旅大好きなの」
ここでこう言う張角だった。
「元々旅芸人だけれどね」
「まさかここで貴殿達と会うとは思わなかった」
関羽は腕を組んで真剣な面持ちで語った。
「あの張三姉妹とな」
「それはあたし達もよ」
張梁が言葉を返す。
「あの山賊退治の黒髪の豪傑と会うなんてね」
「しかもあの西方の馬家の姫様二人」
張宝は馬超と馬岱を見ている。
「北の槍使い趙子龍」
「私だな」
「そう、凄い顔触れ」
「おまけに大陸一の弓使いまでいるしね」
張梁の目は今度は黄忠を見ている。
「益州の暴れん坊に太守さんもいるし」
「伏龍に鳳雛まで」
軍師二人についても言及される。
「しかも他の世界の人達までなんて」
「僕達もなんだ」
「うん、凄い顔触れよね」
張角はチャムチャム達を見ている。
「私こんな豪華な顔触れにはじめて会ったわよ」
「ちょっと待つのだ」
「そうにゃ」
しかしだった。ここで張飛と孟獲達が講義の声をあげてきた。
「鈴々はどうなったのだ」
「美衣もにゃ」
「そうにゃ、忘れるなにゃ」
「ミケ達もいるにゃ」
「いるにゃ」
「あっ、あんたまさか」
張梁が最初に気付いた。
「あれ?あの燕の」
「そうなのだ、鈴々は燕人なのだ」
「猛豚将軍」
それだというのである。
「それよね」
「豚!?」
「そうよ、猛豚将軍よね」
それだというのだ。
「話は聞いてるわ」
「何で豚なのだ!?」
張飛はそのことに首を傾げさせる。
「鈴々は虎なのだ。豚ではないのだ」
「豚に乗って戦うからじゃないですか?」
「ですから」
孔明と鳳統がそうではないかと指摘した。
「だからそれで」
「その仇名に」
「むむっ、豚の方が乗りやすいのだ」
しかし張飛はむっとした顔でこう言うのだった。
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