705部分:第五十六話 劉備、張角と会うのことその五
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第五十六話 劉備、張角と会うのことその五
張宝がだ。ここでこんなことを言うのであった。
「ここは」
「何かあるの?」
「鉈、出そう」
こう言うのであった。
「それならすぐにわかるわ」
「ああ、そうよね」
張梁も妹のその言葉に同意して頷く。
「姉さんそれ持ったら変わるから」
「そう。刀とかクラブでも」
「じゃあ早速な」
「はい、これ」
何処からかだった。張宝はその鉈を出してきた。そうしてそれをだ。左の劉備に差し出すのであった。
「持って」
「うん、じゃあ」
左の劉備も頷いてその鉈を持っている。するとだった。
目の光が消えてだ。不気味な微笑みになり。こう言うのだった。
「仲に誰もいませんよ」
「はい、こっちが姉さん」
ここで言う張宝だった。
「間違いなく」
「そうよね。これでわかったわ」
張梁もここで頷く。
「姉さんは左側ね」
「うん、これで」
「何か物騒な区別のつけ方だな」
馬超はそれを聞いて首を傾げさせながら述べた。
「鉈って何だよ、鉈って」
「姉さんを覚醒させる道具」
それだと答える張宝だった。
「それなの」
「おかしな話だが納得できるな」
関羽はここで何故か頷いた。
「そういえば私は何処かで」
「どうしたの?」
「貴殿に切られた気がするが」
関羽はこうその張角に話すのだった。
「気のせいか?」
「あれっ、初対面だけれど」
「そうだな。それでどうしてだ」
「何かあるのだろうな」
横から趙雲が言ってきた。
「日々とかそういうことだ」
「日々か」
「御主はそちらの方では弟がいるのではないのか」
「そういえばそんな気がする」
実際に否定できない関羽だった。
「おかしな話だ」
「まあとにかくよ」
ここで言ったのは張梁だった。
「あんた達旅の武芸者よね」
「ええ、そうよ」
黄忠が答える。
「少し用事があって南蛮まで行ってたけれど」
「南蛮まで!?」
それを聞いてだ。張梁は驚きの声をあげた。
「また随分遠くまで行ってたのね」
「幽州からなのだ」
今度は張飛が言う。
「そこからなのだ」
「この国を上から下までじゃない」
張梁は驚きを隠せないまままた言う。
「凄い旅してたのね」
「ねえ、よかったら」
張角がここで劉備達に話す。
「そのお話聞かせて」
「お話って?」
「そうよ、その旅のお話をね」
「それならばじゃ」
厳顔が言う。
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