第4章:日常と非日常
第124話「男に戻るまで」
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ていた黒いローブを消し、帰宅していた。
「後は…明日でいっか」
そう呟きつつ、家のドアを開けた所で…。
「この……どこほっつき歩いていたのよー!!」
「…っと」
飛び出してきた跳び蹴りを受け流す。
跳び蹴りをしてきた相手…椿は、受け流されて体勢を崩し…消えた。
パシィイイン!!
「っつぅ…!幻術かぁ…」
「殺気も何もないから、気づけなかったでしょう…!」
頭上からハリセンが振り下ろされ、小気味いい音が響く。
「それよりも!貴女その姿でどこ行ってたのよ!」
「どこって…ちょっとそこまで?」
「普段の優輝もそうだけど、今の貴女も大概ね…優奈…!」
冗談めかして言う少女、優奈に椿は怒りに拳を震わせる。
「というか、今日は一日中優奈でいたって訳?優輝は大丈夫なんでしょうね?」
「大丈夫なはずだよ?いやぁ、まさか頭ぶつけて私と入れ替わるなんて」
事の発端は些細な事だった。
寝起きにドジってベッドから落ち、その時に頭をぶつけて優奈の人格になったのだ。
そんな原因に今朝は優奈を含めて全員が呆れていた。
「どの道、因子は段々と戻っているから明後日くらいには男に戻るよ」
「そう。…って、良く分かるわね」
「優輝と比べてそういうのに気づけるみたい」
家の中に入りながら椿とそんな会話をする優奈。
「(…“みたい”だなんてわざとらしい。気づけるのじゃなく、“わかる”のに)」
だが、その裏では嘘をついている事に苦笑いしていた。
もちろん、それを椿が気づく事はない。…気づくはずがなかった。
「(私と優輝は違う。だから、椿は私の心を読み取れない)」
そう。ずっと一緒である優輝なら、例え表情が変わらなくても分かるかもしれない。
だが、優輝とは“別”である優奈は、それすら起きない。
だから、優奈が裏で考えている事に、椿は気づかなかった。
「あ、おかえりー」
「ただいまー」
「なんで葵は暢気なのよ…」
リビングへ行き、葵が出迎える。
二人のその暢気なやり取りに、椿は呆れていた。
「…で、改めて聞くけど、どこに行ってたのかしら?」
「どこにって言われてもなぁ…。はやての家?」
「…聞き方が悪かったわね。何をしに行ってたのかしら?」
優輝とは全く違う性格に少しイラっとしつつ、椿は問い詰める。
「もう、そこまで怖くならなくても…。ちょっと、ザフィーラと手合わせしに行っただけだよ?彼、どうやら自分の力量不足に悩んでたみたいだから」
「それで、相手をしたという訳?」
「うん。厳密には“可能性”を見つけてもらったんだけどね」
「ふぅん…
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