第4章:日常と非日常
第124話「男に戻るまで」
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
伝いをしようと思ってね」
クスクスと笑いながら言うその人物に、ザフィーラは冷や汗を流す。
「(態度と口調、声色からして…女か?)」
「じゃあ、行くよ?自分で見つけてね?」
「っ!」
瞬間、その人物が肉迫する。
繰り出された拳を受け止めようとするザフィーラだが、その威力を事前に察知し、辛うじて避ける。
「ほら、まだまだ行くよ!」
「ぬっ…!」
続けざまに繰り出された蹴りを受け流し、カウンターを放つ。
だが、それは誘導されるように逸らされ、逆にカウンターを喰らってしまう。
咄嗟に防御魔法を使ってダメージを減らしたが、余程の練度だと理解した。
「ちぃ…!」
「…」
魔法を用い、相手の足元から白い棘状のものを生やす。
それを躱させた所へ一撃を放つが…やはり受け流される。
何度か攻撃を繰り返すも全て受け流され、それどころか反撃でダメージを受けた。
そこまで来て、ザフィーラは悟る。
「この動きは…!」
「さすがは歴戦の騎士。今の体捌きでわかるとは」
「“導王流”……!」
それは優輝がいつも扱う導王の武術。
導きの王の名を取り、敵の攻撃でさえ“導く”、守りの武術。
それを、その人物は使っていた。
「なぜ、貴様がそれを…!」
「なぜ…ね。それは、貴方が知る人物にも言えなくて?」
優輝はいつも使っているが、本来ならそれは“ありえない”武術。
ベルカの騎士であり、ヴォルケンリッターであるザフィーラは知っていてもおかしくはないが、本来なら文献のみの武術である。
そんな導王流を扱う存在は、いるはずはないのだ。
…尤も、例外は常に存在するもので、優輝はその例外なだけなのだが。
「この際、正体は気にしなくていいの。…さぁ、限界以上の力を引き出して、全力でぶつかりなさい。その時こそ、新たな“可能性”を垣間見れるのだから」
「…元より、そのつもりだ!!」
技術もあり、格上の相手。そして、どうやら敵意はない。
そんな相手は、ザフィーラにとって今最も望んでいた相手だった。
だからこそ、ザフィーラは全力でその人物へとぶつかりに行った。
「ザフィーラ、ただいまー。大人しくしてたかー?」
夕方。ヴィータと共に家に帰ってきたはやてはそういいながら家の玄関を開ける。
「…うん?なぁ、はやて。ザフィーラそこにいねぇか?」
「んー?…ホンマや。どうして庭…それも仰向けでいるんやろ」
家の角で隠れて足しか見えないが、仰向けでいるであろうザフィーラがそこにいた。
それを見て、少し嫌な予感がしながらもはやては近寄る。
「ザフィーラ…?」
「…む、主。こ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ