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ゆきおがあたいにチューしてくれない
涼風→ゆきお
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もねぇやぃ……」
「?? ???」

 慌てて視線をゆきおの唇から外したら……今度はゆきおの、綺麗なおでこが目に入った。

 今ゆきおは真っ赤っかだけど……ゆきおのおでこは、なんだかとてもすべすべで綺麗で……どうしよう。触ってみたい。唇はダメだけど……お、おでこなら……

「……」
「あ、あの……すずかぜ?」

 私は、そのとっても綺麗なゆきおのおでこに、ふらふらと手を伸ばし……すべすべであたたかいおでこに触れて……

「う……うう……」
「……あったけー」
「涼風の手も……うう……あったか、い……」

 気がつくと、私はゆきおのおでこに、自分の手を当てていた。ゆきおのおでこは、すべすべてとても触り心地がよくって……なんか……すごく……こ、ここなら……

――案外……ふふっ……簡単だね

「……ゆきお」
「な、なに!?」

 私はフラフラと、ゆきおのおでこに顔を近づけていく。魔法でもかけられたんじゃないかと思うほど、私の顔は、自分の意志を離れて、フラフラと、ゆきおの顔に顔を近づけていく。

 少しだけ、背伸びして……そして。

――ちゅっ

「「……!?」」

 気がついた時、私は、ゆきおのおでこにチューしてた。

「……ッ!?」
「あ、あの……」
「〜〜ッ!?」
「ゆき……」

 ……言いたいことは、山ほどある。無意識でフラフラとではあるが、いきなりチューしてしまったことは、私も悪いと思う。だけど。

「〜〜ッ!? 〜〜ッ!?」

 ……ゆきお。ゆきおはホントに男の子なのか? 今、ゆきおは両手で口を押さえて、顔真っ赤にして、涙目でこっち見ながら混乱してるけど……その様子、どう見ても摩耶姉ちゃんより女の子だぞ?

「えっと……ゆきお」
「〜〜ッ!? 〜〜ッ!?」
「そ、その……ごめん……」

 そんなゆきおの様子を見てるからなのか、それとも艦娘で度胸が座っているからか、私の意識は妙に冷静だ。今しがた、綺麗なおでこについチューしてしまったとは思えないほどクリアだ。そんな私の方が男みたいで……なんだか、とても悲しい。私、女なのに。

「ゆきお……あの……」
「……ふぇぇ」

 ゆきおの目に溜まっていた涙が、ぽろりとほっぺたを伝った。そして次の瞬間……

「ふぁぁぁあああああああん!!?」
「ゆきお!?」
「涼風が……涼風がぁあああああああん!!?」

 ゆきおは絹を割いたような悲鳴を上げながら、私の元から走り去っていった……。

 内股で女の子のように走り去っていくゆきおを、呆然と見守る私。そんな私の頭の中では、ある言葉が響き渡っていた。

――そうだね。簡単だね。ふふっ……

 ……比叡さんのアホ。何が簡単だ。その言葉を信じたあたい
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