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ゆきおがあたいにチューしてくれない
涼風→ゆきお
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……チューしてた。

「こ、これは……!」

 私は比叡さんを直接知っている。だからどうしてもこのシーンを、あの比叡さんで想像してしまう。

「う、うう……」

 だから、このシーンが妙に生々しい。でも……



「うん。次も簡単だね」



 その、私のイメージの中の比叡さんは、主人公に突然チューされて、とても幸せそうだった。

 ……ここで、もし私とゆきおだったらと、妙な想像をしてしまう……。

……

…………

………………

――す、すずかぜっ!

――へ? ゆき……んっ……

………………

…………

……

「ふっく……!! ほっ……ッく!!」

 途端に胸の奥底がむず痒くなり、身体がそのままの姿勢を維持できなくなった。この前テレビで見たタコ踊りみたいな動きを身体が無意識に繰り広げ始め、私はしばらくの間奇妙な踊りを室内で踊るハメになった。一人で。

 ひとしきり気色悪いダンスを踊った後、私はベッドにばひゅーんと飛び込み、うつ伏せになって枕に顔を押し付け、足をバタバタと泳がせた。

「うあああああああ……あたいとゆきおがぁああああああ」

 でも、我ながらおかしいのが、そんな風に羞恥心に耐えながらも、気を抜くと、顔がニヨニヨとほころんでくることだ。

「ゆきおと……あたいがぁああああああああ……デュフフフ……」

 鏡を見なくても分かる……私は今、相当気色悪い笑顔を浮かべている。

 これはマズイ……本当はこの後、ゆきおの部屋に行く予定だったんだけど……

――す、すずかぜっ!

 私にチューを迫ってくるゆきおのイメージが頭から離れず、さっきからニヤニヤしっぱなしの私の顔を、もし本人のゆきおに見られたら……一体ゆきおに何を言われるか、わかったものじゃない……今日は、行くのをやめておこうか……。

 でもそう考えると不思議なもので、途端に私の意識が意気消沈する。突然気持ちがズーンと沈み込み、顔が青ざめ、気持ちがげんなりしょんぼりしてくる。

「うう……やっぱりゆきおに会いたい……」

 でも、やっぱり会いに行こうと思い直した次の瞬間には、もう顔がニヤニヤしっぱなしだ。

 これはマズイ……こんな情けない姿を、二人で一人のゆきおに見せるわけには……大好きなゆきおに見られるわけには行かない……仕方なく、私は今日のゆきお訪問を断念することにした。ちくしょう。



 そうしてしばらく自室で悶々とした気持ちを持て余した後、私は夕食を取りに食堂へと向かい……夕食のエビチリに舌鼓をうって……入渠施設で入渠して……その帰り道。

「ぁあ涼風。今お風呂上りなの?」
「ほえッ!? ゆきお!?」

 お風呂上りで完全に緩みきり
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