第六章 Perfect Breaker
開催!!戦興行
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病院の一室で、北郷一刀は目を覚ました。
起き上がろうとして、何か違和感を感じる。
身体が動かない。
首だけを動かして体を見ると、片足がギプスに覆われて吊るされていた。
腕のほうはというと、力は入るものの上がらない。どうやら肩がまだ回復しきっていないようだ。
腹部に感じる心地よい重みは、椅子に座っていた蓮華が眠っているからなのも見えた。
「蓮華・・・蓮華」
「・・・・ん・・・え、あ・・・一刀!!目を覚ましたのね!!」
「いてぇ!?」
一刀の呼びかけに、蓮華が目を覚ます。
起き上がった際、一刀の腹部を押してしまい、少し悶絶させる。
その後、蓮華の声を聴いて数名の人間が病室に入ってきた。
当然ながら、この街の調査に同行してきてくれた彼女たちだ。
皆口々に一刀の身を案じ、よかったと安堵のため息をつく。
病室を見回す一刀。
するとその中には、見慣れない顔があった。
「君たちは・・・・」
「あの・・・大丈夫ですか?」
一刀の前に現れたのは、この街に住む少年と少女だ。
あの森での戦いで、一刀と出会った少年たちである。
「えっと・・・名前聞いてなかったっけ?」
「あ、オレ天王寺琥太郎っす」
「神戸小鳥です。あの・・・この前はありがとうございました。これ、どうぞ」
「おお・・・ありがとうな」
小鳥と名乗った少女が、腕に抱えた花束を差し出す。
お見舞いの品らしいが、花屋で買ったものではない。
それを思春が受け取り、花瓶に入れてきますと退室する。
「で・・・・誰にやられたの?一刀」
「・・・・そうだ・・・たしか・・・・」
雪蓮の質問に、一刀は思い返す。
自分と蓮華、思春、明命の四人は、森の調査に足を踏み入れた。
だが、いくら回っても入れないエリアがある。
何らかの結界であるというのは、一目瞭然だった。
しかし、この結界はこの場を気付かせないようにするための物のようだった。
つまり気づいてしまえば、通過は容易ということ。
その結界を越えて、その先で一刀が見たものは
「私たちは、そこで少女と青年が戦っているのを目撃したわ」
少女の姿は、年にして十五、六だろうか。
黒いドレスに身を包み、銀の短髪をした美しい少女だった。
対して、男の方は非常にラフな格好をしていた。
Gパンにワイシャツという、まるで「ちょっとそこのコンビニまで買い物」という感じの服装だ。
場所は、一本の大木が生えた広場のような場所。
無論、周囲を囲む木々も大木と呼んで差支えないほどの大きさなのだが、そのうちの一本が、それら
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