第六章 Perfect Breaker
開催!!戦興行
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の三倍ほどは大木なのだ。
男の方は一見生身だが、その体には魔力を走らせており、その強度等を爆発的に跳ね上げていた。
相対する少女は、手首から伸びる赤いリボンを振るって男へと攻撃を仕掛けていた。
リボンは伸び、地面を抉り、木を切り倒すところを見るとかなりの力を持っているようだ。
そして、そのリボンを掴みかかろうとする男。
「なんだこれは・・・・」
茂みからその光景を見た一刀は、その攻防に呆気にとられていた。
地面はすでにいくつかのクレーターが出来、地面は爆ぜて、大気が唸っている。
「・・・・あれは・・・!?」
その時、一刀は見た。
この広場を囲む木々の中でも、ことさら大きいその大木。
その大木の根元にある穴の中に、少年と少女が隠れていた。
このままだと巻き添えを食らう。
一刀は思春と明命をそちらに回し、回り込んで彼らを救出するように指示を出した。
もともと隠密活動を生業とする彼女たちは、即座に森に消えて行った。
もう時間は、午後の7時になろうとしていた。
夏場の空もさすがに暗くなり、空には満月が浮かび上がる。
少女のリボンが男の両手首を捕え、地面に叩きつけてから放り投げた。
周囲の大木に男が叩きつけられ、メキメキと大木が倒れ込んでくる。
だが男はその大木を掴み取り、逆に少女の方へと放り投げたのだ。
槍のように飛来するそれを、少女はリボンを縦に張り真っ二つに裂く。
木屑が散り、その向こうに少女が男の姿を探し
ゴッッ!!
「■■■!?」
少女が声なのか悲鳴なのかよくわからない、言うなれば「音声」と言うべき声を上げて、横っ腹を殴られて吹き飛ぶ。
地面を二、三度跳ね、俯せになって倒れる少女。
その少女に、男が近づいていく。
その間にも少女は男にリボンを伸ばし腕に巻きつけるも、男は全く動かない。
さっきはあんなにも簡単に吹き飛んだというにもかかわらず、男は何事もなく少女の方へと歩を進める。
むしろその腕を引き、少女を自分に引き寄せていくほどだ。
そして、握りしめた拳が―――――
「待てよ」
ドンッ!!
「それ以上のことは許さないぜ」
突如として、男の背後に一刀が立つ。
そちらに気を取られ、男の力が緩んだ。
その隙に少女は即座に男のリボンを解除し、距離を取っていく。
「一刀様、二人は無事に保護しました」
「ありがと・・・・蓮華と一緒に、街まで降りてくれ」
「わかりました」
一刀の背後に、報告に現れた明命。
その明命に再び指示し、森を出るよう言う一刀。
明命はそれに反対しない。
残ろうともしない。
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