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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
朱雀日和
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も、一刀さんなら解決できるでしょうね」

「ワルプルギスの夜ほど性悪な敵も、そう居りはしますまい」

「愛紗たちも一緒だろ?安心すぎる」

「いえ、今回は蓮華さんたちとらしいです」

「大変じゃのう」

「ま、旅行もできていいだろ。あいつも楽しそうだし・・・・時に」

「「?」」


書類に目を通し、地形図や向こうで大丈夫なもの、行けないものなどのリストから目を通していた蒔風が、特に目をそらさずに口だけを動かして聞く。



「お前らと会って長いわけだけど、前の持ち主とかっていたの?」

「・・・・歴任の十五天帝所持者、と言うことですか?」

「そ」

「そうさのう・・・・・実はこれが良く覚えておらんのじゃよ」

「そうなの?」


十五天帝は、蒔風舜を主とする十五本一対の剣群だ。
そしてそれは、歴代の所有者の元へと向かい、その手に担われてきていた。


「そも、主がいたのは"No name"でしたからな。我らは入る余地がなかったのですよ」

「あー、そういやな。えっと・・・・もしあのまま「the days」のままだったら、世界の外で張り付いてたんだっけ?」

「ですね。で、舜が死んだら次の、どこかの世界の所有者の元へと向かっていたのでしょう」

「はー、じゃあ覚えてないってのは?」

「うーん」

「儂らは世界四剣の中でも唯一、意思を持つ剣じゃ」


世界四剣にはそれぞれ特性があり、それは太古の伝説に基づいている。

一人の王が聖剣を以って敵に勝利し
一人の王が神剣を以ってすべてを癒し
一人の王が開剣を以って人々の心を開き
一人の王が天剣を以ってその全てを統べた

エクスカリバーが高出力の光線を撃つのも、ヴァルクヴェインが治癒の力を持つのも、Χブレードが人の心を開くのも、十五天帝に従者がいるのもそう言うことだ。


「で、恐らくわしらは数人の主に使われたのじゃろうが、次の所有者のもとに行くまでの意思は全くないのじゃよ」

「それどころか、ある程度の人格とを残して、記憶はリセットされます」

「完全にか?」

「とまではいきません。ほら、昔の記憶と言うのはどうしても薄れるでしょう」

「そんな感じに、靄がかかる感じになるのじゃよ」

「じゃあ、お前らの口調がちょいちょい違うのは?」




「ああ、そうですね。私はこの通りですし」

「ワシはこの通りじゃし。おかげで全然青年姿なのに、白虎にはじいちゃん呼ばわりだのぅ」

「獅子は・・・厳ついと言うか、ゴツイと言うか」

「白虎はあの通りお気楽ですね」

「天馬は口の悪いアンちゃんだよなぁ」

「青龍は無口風にしゃべるしのぅ」

「麒麟は?」

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