暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
天馬日和
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「EARTH」本部 敷地内の芝生。

一本の大きな木の下に、四角いテーブルに、長椅子が二つ。
そこに、一人の男が空を仰いで座っている。


「あが〜・・・」

そう、まさに本人が発している通り、そんな感じでだらけている。


「どうしたんですか?天馬さん」

「お?誰かと思えば」

「ども〜」


そんな天馬のもとに、偶然通りかかったのかこなたとつかさが話しかけた。
服装を見るに、どうやらバイトの休憩中のようだ。


「休憩?」

「そそ。で、とおりすがったってわけ」

「とーりすがりの柊つかさ!覚えておいてね!」

「こりゃ、そりゃちゃうだろーがい」

「あた」

つかさのギャグに、力なくチョップで応える天馬。
二人はそのまま、天馬の正面に座る。


「なに・・・してたんですか?」

「暇つぶしだ。白虎のやろーがいねーとな、書類仕事がはかどっちまってよ、これが」

シシシ、と笑いながら、天馬が脇に置いてあったクーラーボックスからコーラを取り出す。
ペットボトルとかではなく、ちゃんとしたビンの物だ。

空になっている机の上の二本を降ろし、「いる?」と聞きながら新たに三本取り出した。
慣れた手つきで、一気に栓を開ける。


「冷えてておいし〜い」

「つめたい!てんまんはいつもここでグダってんのかい?」

「そうだなぁ〜。な〜んも予定のないときはここだなぁ」


聞きながらつかさが机の上を見ると、そこにはラジオが一台置いてある。

四角い長方形。そしてカセットテープの入る横長のである。
CDだとかMDだとか、そんなものを入れる隙間はありはしない。


「これ・・・・」

「ん?ああ、暇なとき聞いてんだ。テレビよか面白いこと言ってたりするんだな、これが」

「曲も聞いたりするん?カセットで?」

「う〜んにゃ。ラジオから勝手に流れてくるのを聞き流してるよ。それに・・・」

クルッ

「ほれ、これ実はMP3対応」

「なんとー」


古そうなのは見た目だけ。
実はハイテクなのでした。


「でもやっぱこうさあ、キャンプ場みたいなこーいう木製の机に、同じく木製の長椅子が合ったらこれだろ?」

「ですねー」

「いい絵でしたよ〜、お兄さん!!」

「ど〜も」


聞く?と言いながら、特に返事も聞かずに天馬がスイッチを入れる。
適当な番号に合わせ、スピーカーからの音が、その場に流れ始める。


「どこのきいてるんですか?」

「てきとーに。特に決めてねーなぁ」


『―――今週のリクエストはRN:真夏のかぼちゃさんから、現在人気絶好調の765プロオールスターズの―――――』

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ