第二章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
りの喚声がかけられる。かつてはスラッガーだったが今ではもう見る影もない。威圧感も覇気も全く感じられない。
その抜け殻がバッターボックスに入るのを観た。僕はそのうえで老人に話した。
「小笠原ですよ」
「ガッツじゃったな」
「今ではカッスと呼ばれてますよ」
「フリーエージェントとかで巨人に入った選手は多いわ」
ヤクルトの広澤克実をはじめとしてだ。本当に多い。
だがそれでもだとだ。老人はこう言った。
「しかし終わりを全うしたのはおらんのう」
「一人もいませんね」
「広澤は阪神で復活したわ」
巨人に入った彼はそうなった。まさに。
「巨人ではあかんかったのう」
「全然でしたね」
「粗大ゴミじゃったわ」
老人はバットを波立たせて振る小笠原を見て言う。かつてのスイングは何処にもない。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ