44話 取るべき道
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トはシロッコの説明を聞き終えると肩を落とした。
その数秒後、トーレスより艦に接近するモビルスーツの反応について報告があった。
「艦長、それ程の速度ではないですが、救難ビーコンを出して接近してくるモビルスーツがあります」
ブライトはトーレスに目をやり、アムロとシャアは近づいてくる感覚に懐かしさを覚えた。シロッコも同様だった。アムロが口にした。
「・・・ララァが戻ってきたか。理由は知らないが」
続けてシャアも言う。
「ああ、オーガスタの時と同じ雰囲気だな」
シロッコも次いで言った。
「メシアの支配から脱したのか・・・。確かに雰囲気が無い」
すると、そのモビルスーツより通信が入った。
「・・・聞こえますか。救助を求めます。私はララァ・スンです。ご存じでないでしょうが、もう一人の私はフロンタルとの戦いに精神を投じ、私が私であります。世界の危機です。助けてください」
それを聞いたスレッガーが「だとさ」と言った。メランがその通信に従い、モビルスーツデッキのスタッフに指示を出した。
「これから来るモビルスーツを丁寧にキャッチしろ。この事態の、世界の命運がかかっている」
ブリッジにいる全ての者が近づいてくる1機のモビルスーツを見つめていた。そんな中、コウとキースが今までの話で知恵熱を出していた。
「ああ、こんな事態にして話がややこしい」
キースがそうぼやくとコウも同意した。
「この艦に世界の動向の全てがかかっているといっても過言でないからな。色々面倒なのさ」
その会話に後ろからアレンが両名の間に入って肩を組んだ。それに2人とも驚く。コウが叫ぶ。
「アレン少佐!」
「おう、全くだな。でもな、こんな事態普通じゃありつけないぜ。まあ堪能しようや」
その発言にキースが眉を潜めた。
「気楽すぎませんか?」
「そうでもしないと気が狂うわ」
アレンは顔が笑っているが心底は真逆だと2人は感じていた。
* ゼウス ブリッジ内
フロンタルがブリッジ内である人物を迎えていた。側近のマリオンとクスコは訝しげにその人物を見ていた。
「(何なんだ。このじいさん)」
クスコがマリオンに密かに話す。マリオンは無言で首を傾げた。
「(わからない。マスターは何をお考えなのか?)」
見るからに年寄りなのは明らかだが、立ち振る舞いやその背筋は若者のようだった。
その老人がフロンタルに話し掛けた。
「確かな結果をもたらしてくれた。礼を言うぞ、よくぞやり遂げた」
「マイ・ロード・サイアム。貴方がそう命じていたまでです」
マリオンとクスコはその老人がサイアムという名だと知った。
サイアムはブリッジにある艦長席に腰を下ろす。
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