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逆襲のアムロ
44話 取るべき道
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「それが満水でオーバーフローしたと言いたい訳なんだな、親父」

テムは答えたアムロを見て、「ご名答」と答えた。

「世界均衡というコップに注がれたサイコミュという力の水が今こぼれ出てきた。それによりコップの外側が濡れてコップが置かれた裸の世界であるテーブルが濡れた。結果、サイコミュで起きていた不可思議な現象が世界で様々な災害がもたらされている」

次はシャアがテムに尋ねた。

「我々は専門家ではありません。例えでも具体的に説明願いますか?」

「我々がサイコミュにより斥力場や引力場を用いて物を曲げたり、ビットを操り飛ばしたりしていることはシャア総帥も知っているな」

「ああ」

「だが、その原理までは詳しくは解明されていない。が、直撃であった弾を曲げることはその弾が別の所に飛ぶのは分かるな?」

シャアは頷く。当然のことだからだ。テムはそこに疑問を呈した。

「つまり通常の物理現象で直撃するはずだったものが別のところに害を及ぼす。それも物理現象として未解明な力で、だ」

テムは周囲のクルーを見渡して、シロッコと同様にゆっくりと艦橋中央へゆっくりと歩く。

「ほんの些細な事だと思う。今や世界にサイコミュに関わる製品が出回り、その現象が世界規模で起きたと考えたらどうだろうか?」

ブリッジ内がどよめいた。テムは話し続けた。

「在り得ないことが有り得るのは世界の均衡を壊す。いや、均衡を保つために世界が望む、これが姿なのかもしれない。ただ人類にとってはとても有難くない」

シャアはテムに結論を促す。

「して、どうすればよい?我々は」

「シロッコの言う通り、サイコミュを棄てる。フロンタルを退治した後でな」

「それで世界はこの状態から脱せるのか?」

「少なくとも、事態の悪化は防げるはずだ。現状が最悪ならば止めることはできんが・・・」

「しなくとも変わらずで、して変わらないかもしれないか・・・」

シャアとテムの会話にアムロが再び割り込む。

「だがやらない訳にはいかないだろう」

皆がアムロに注目した。

「まだ見ぬ新にして強敵を我々は相手にする。それにオレにできることはモビルスーツに乗って戦うだけだ。それで世界の異変を食い止めることができるならば、ただやるだけだ」

アムロの意見に頷くものもいれば、そうでもないものもいた。
だが大所帯な艦橋内で発言を憚り、沈黙していた。そこに1人手を挙げた。

「ちょいといいですかね?」

スレッガーだった。歴戦の猛者で皆が認める指揮官でもあった。
シロッコに向けて手を挙げたので彼は「どうぞ」と一言いった。

「オレらはアムロ中佐と同じで戦うしかできない。それが生業としてきたからだ。だからそこに敵がいれば戦お
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