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Sword Art Online 無限の剣製
プロローグ3
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だその声に、歩みを止める。

「ありったけを持ってしても届きはしない!過ぎた望み、最初から壊れた、ただの幻想!」

......黙れよ。
ーーーーーーー1歩を踏み出す。

「醜い欲望!それをぶつける、価値のない眩いだけの光!」

ーーーーーーーまた、立ち止まる。
それ以上先は、許容できない。
衛宮士郎を構成する部分の否定は矛盾へと繋がる。
その矛盾を容認してしまえば、きっと俺は壊れてしまう。

いや、そんなもの、本当は関係ない。
なのに、なぜ?



「お前が命を賭して求めるものではない!なのに、なぜ!!」



「ーーーーーーーーーーーーーーうるっせぇ!!」


全力をもって、風を、押しのける。
握った拳に、爪がくい込んで血が出ていた。




そうだ、知らないだなんて、そんなことはない。







全て、わかっていたことだった。









衛宮士郎にとって、なにか一つを得ようとすることは、破滅を招くことだと。

衛宮士郎は、正義の味方でなくてはならないこと。



ーーーーーーーーーそれでも、

あぁ、そうか。
わかった。

ーーーーーーーーー俺は、




「あそこにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー辿り着きたい」







手を伸ばす。
吹き荒れる、風の向こう側に。
一歩を踏み出す。
荒れ狂う、困難の果へ。

「求めた景色。 無力な自分。 抱いた理想。叶わない夢」

声が、遠ざかる。

「証明してみろ」

背筋が、伸びる。

「あぁ、約束する」

問答になっていない。

「必ず取り戻せ」

約束にもなっていない。

「たどりつく」

それでも、

「あぁーーーーーー、」

それでも、その男は。


「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー任せた」



瞬間、安心したように、存在が消える。
もう声は感じられない。

風はやまない。
階段は終わりが見えない。

それでも、確かに託されたものがあった。
存在は感じられなくとも、確かに存在したことは感じられる。


生まれて17年、そんな言葉は使ったことがなかったはずなのに。
今は、まるで、生涯にわたり呟き続けた言葉のように思う。

おそらく、これこそがやつの存在。
この言葉こそ、やつの生涯。

さぁ、証明してみろ、俺。
やつの存在を、生涯を、

背負って生きる。

血塗れた道、果てしなく遠い道。
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