700部分:第五十五話 華陀、徐州に入るのことその九
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第五十五話 華陀、徐州に入るのことその九
「貴様とは何時か決着をつけようと考えているが」
「それは私も同じだ」
「だが。それはだ」
「また先にしよう」
こう二人で言い合うのであった。二人の間にはかつての様な剣呑なものはなかった。憎悪といったものもだ。それも見られなかった。
そしてその中でだ。彼等はまた話すのであった。
「あの華陀という男」
「かなりの傑物だな」
「それは間違いない」
「大器だ」
こう話していくのであった。彼等もまた運命の中にあった。
そしてだ。劉備達はであった。相変わらず遊んでいた。
「凄く楽しいね」
「全くなのだ」
張飛が劉備の笑顔に同じ笑顔で応える。
「このお菓子とても美味しいのだ」
「ええと、このお菓子は」
「あっ、これはですね」
三人共同じお菓子を食べている。他の面々もだ。
白と黄色の中間色の、焦げ目のある魚の形のお菓子をである。それを食べながら孔明が話すのだった。
「鯛焼きです」
「鯛焼き?」
「そういうのだ」
「そうです。中に入っている餡子がいいですよね」
「そうよね。これ凄く美味しい」
「幾らでも食べられるのだ」
「私も鯛焼き大好きです」
孔明もにこにことしてその鯛焼きを食べている。尻尾のところからだ。
「特にこの尻尾の辺りが」
「私頭がいいけれど」
見れば劉備はそちらから食べている。
「けれどどちらにしても」
「美味しいことには変わりないのだ」
「そうだな。こうした菓子もいいな」
関羽も右手に取って食べながら話す。
「手軽で」
「だよなあ。涼州にはこうしたお菓子なかったからな」
「大秦からのお菓子はあったけれどね」
馬超と馬岱も食べている。
「あれな。ケーキな」
「あれも美味しいけれどね」
「ケーキなら」
今度言ったのは鳳統だった。
「私作られます」
「私もです」
また孔明が出て来た。
「お菓子作るのは得意ですから」
「ですからケーキも」
「あっ、そうなのか」
「だったら今度」
「そうだな」
馬超と馬岱だけでなく趙雲も言ってきた。
「食べたいものだな、そのケーキを」
「はい、桃家荘に戻ったら」
「作らせてもらいます」
笑顔で言う二人だった。そしてだった。
黄忠がだ。その鯛焼きを食べながら彼女も言った。
「鯛焼きの後は」
「うむ、お茶じゃな」
「それ飲みに行きましょう」
厳顔に応えながらこう皆に話すのだった。
「丁度あそこに茶屋があるし」
「中々よさそうな店じゃ」
厳顔はその店の立派な看板を見ながら笑顔で話す。
「ではあそこにじゃな」
「それでは劉備殿」
魏延はこの時も劉備の傍にいる。
「早速あのお店に」
「はい、それじゃあ」
劉備も笑顔で頷く
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