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NARUTO日向ネジ短篇
【継がれゆくもの】
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は分からないけど、話には聴いているから……」


『──フ、俺の事などさっさと忘れ好きなようにすればいいものを……。いつまでも責任を感じていられては迷惑だ』

 ネジは瞳を閉ざし、皮肉るように笑みを浮かべる。

「兄様ってば、そんな言い方はないでしょ…! あの二人がそう簡単にネジ兄様を忘れられるわけ──」

『ヒナタ様……いや、ヒナタとナルトには、いい加減前を見据えてもらわねば困る』

「姉様だって、前を向こうとはしてるよ。兄様が命を懸けて守ってくれたから、大切な人達を今度はちゃんと自分で守れるように強くなろうとしてるし、ナルトだって次期火影になる事は決まっているようなものでその為に頑張ってるし……。私、だって……ネジ兄様に恥じないように次期日向当主として日々鍛えてるけど、まだまだ兄様には遠く及ばないよ」

『……俺はもう日向として高みを目指しようがないから、ハナビならすぐに俺を越えられるだろう』

「そう言われたって、嬉しくない。兄様が生きてくれていたら、私は次期当主の座をネジ兄様に譲ろうと思っていた。あの大戦前にも、父上に進言していたの。分家や宗家は関係ない……次期当主として最も相応しいのは、日向の才に愛されたネジ兄様だって───」

『…………』

「これまでも話し合いはされてきたとはいえなかなか進展せずにいたけど、大戦後は日向の改革を推し進め、長年の宗家と分家の確執を取り払い、ネジ兄様を次期日向当主として皆に認めさせてみせると、父上は約束してくれていたの。……でも兄様は大戦でヒナタ姉様とナルトを二人一緒に守って命を落としてしまって……結局私が次期当主になる事は変わらない。──呪印制度に関しては、その執行は大戦後に停止されているの。完全な廃止まで持っていくにはまだ時間が掛かりそうだけど、私が当主になる頃にはきっと廃止されると思う。……それともナルトが先に火影になって、日向の呪印制度を直接廃止してくれるっていうのもアリかもね」


『あぁ、そうなってくれればいい。──俺が居なくとも、何も問題はない』

「そんな事言わないでっ! みんな、どれだけ寂しがってるか分かってないでしょ! ……ずっと悲しんでたって、ネジ兄様や亡くなった人達が戻って来るわけじゃないし、いつまでも悲しんでいられないのは分かっててみんな前向きに頑張ってるけど……ふとした拍子に、やっぱり“居ない”って感じるのは、とても寂しいんだから…っ」

 ハナビは堪えきれず下向いて涙を零し、ネジは僅かに憂えた表情で黙ったままハナビを見つめている。

───それから急に、二人の居る空間がぐらりと揺らいだ。


「な、何が起きてるの……?!」

『どうやらハナビに助けが来たようだ。……ヒナタにもな』

「え、姉様にもって……?」


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