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NARUTO日向ネジ短篇
【継がれゆくもの】
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るつもりは無かったのですが』

 ネジは宥めるようにハナビの両肩に手を置く。

「こういう状況って、何……? あれ、ここ……異空間みたいな場所?」


 ハナビがふと周囲を見やると、上下左右蒼空を思わせる空間に白く瞬く無数の星々が時折流れ星となって白い軌跡を描いている。

「私、さっきまで何も見えなかったのに……ネジ兄様、何かしてくれたの?」

『大した事はしていません。──ここは、一種の精神世界のような場所ですよ』

「夢……とは違うの?」

『そうかもしれませんね』

「私は死んでないって、言ったよね。…私がどうなってるか、知っているの兄様?」

 問いに対し、ネジはハナビを案じるような表情になり、多くは語れずとも少し話して聴かせる。


『意識を失わされているようです。命までは、今の所取る気はないようですが……それ以上の事は、俺から言える事は余りありません。──ですが、ヒナタ様やナルト達があなたを助けに向かっているのは事実です。ヒアシ様は……無事とは言えませんが、そちらにもきっと助けが及びますよ』

 そう言い終える前に、従妹のハナビを安心させるようにネジは微笑する。

「そっか……よく分からないけど、ネジ兄様も付いてくれているし、そんなに心配しなくても大丈夫って事ね!」

『えぇ、少なくとも確実に助けが来るまでは、俺が傍に付いています。……それくらいしか、今の俺には出来ませんから』

「ネジ兄様が傍に居てくれるなら、心強いよ。……というか兄様、敬語やめてくれないかな。日向の呪印だって、消えているでしょう。亡くなってまで、分家のように振る舞う必要ないよ」

『ハナビ、様……』

「様付けもナシ!」

『わ、判りま──いや、……判ったよ、ハナビ』

 ネジは少し困った表情になりながらも微笑んだ。


「ねぇ兄様、私にとっては叔父上のヒザシ様……父上には、逢えたの?」

『あぁ……逢えたよ。何も言わず、迎え入れてくれた。その後は、色んな事を話しているよ』

「そうなんだ……。叔父上も、ここに呼んでみてくれないかな。私、逢ってみたいの」

『すまない、ハナビ……そう都合よくはいかないんだ。今この空間には、俺しか居てやれない』

「それなら、仕方ないけど……。あのね、兄様……、ヒナタ姉様とナルトの事、なんだけど」

『──・・・』

 ネジは何とも読み取れない表情をしている。

「あの二人、敢えてあまり逢わないようにしてるみたいなの。あの大戦後から、ずっと……。二年くらいもだよ。戦没者慰霊の時に会っても、私から見ても明らかによそよそしくて……。ネジ兄様が亡くなった時の事、どうしても思い出してしまうみたいなの。私は……大戦の場には居なかったからその時の事
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