始まりの遭遇
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やババコンガ、クルペッコ、ドスガレオス、陸のロアルドロスのような類だ。
位の上昇はこんな具合に進んでいく。
それ以上のモンスターとなれば単独行動をするような奴や滅多に居ないだろう。俺も例外ではない。敗北した経験もある。生き残ってきただけであってだ。
ディアブロスの時など酷いものだった。指揮系統が滅茶苦茶だったとは言え、18人で挑んで生き残ったのが6人だけという有様だ。
「確かにその通りだが、何故こんな静かな村に俺を?」
「それがですねぇ。最近山頂付近や森の奥に居るモンスターたちが、降りてきているのですわ」
「山の……奥?」
先程遭遇した、あの碧い竜を思い出す。あれは並みのハンターじゃ手に負えない。
「翼を持たない、四肢を大地につけた碧い竜か?」
俺の言葉に、村長が糸目を見開いて驚く。
「……ジンオウガと、遭遇なされたのですわね?」
「ジンオウガというのか」
「ええ。山奥の特に険しい地帯にお住みになる牙竜種ですわ」
牙竜種? 珍しいな。
「雷狼竜と呼ばれ、雷を自在に操ると言います。火竜を除けば……この地方の頂点に立つ竜ですわ」
火竜を除けば? ……事実上食物連鎖の頂点に立つということか。そんな奴が降りてきているのか?
「アレを俺に片付けろと?」
やってみなければ分からないが……アイツは、とんでもなく強い。
「いえ、追い払うだけで良いのですわ」
何とかなるレベルでもないな。何にせよ、この地方のモンスター全てを頭に入れた上で策を練らなければならない。
どう策を練っても結局は戦わねばならない可能性は高い。
「だが急には無理だ。俺はこの土地の土地勘が無い。まずはこの地に慣れてからだ。でなければ中型鳥竜種にですらやられる可能性がある」
どんな上級ハンターでもいえることだが、土地勘という物は非常に重要だ。あの時撤退したのも土地勘の無い戦いなど無謀すぎるからだ。
例えば、迅竜を倒した凄腕ハンターが居たとしよう。ソイツは一度倒すことが出来たのならば二度目など多少は楽だと、調子に乗って愚かな考えに陥ってしまった。
そしてソイツは見知らぬ土地で戦って、目当てのモンスターどころか格下と見下していたランポスの群れの餌になってしまった。
そいつの敗因は土地勘の欠落。対してランポスの群れは土地勘がある上に集団という利点がある。壁を背にするまで追い込まれてしまったのだろう。
俺もそうならない為に、ここの土地勘を得なければならない。
「左様でごさいますか? では気長にお待ちしますわ。ところでヴォル君も如何ですか? ご馳走しますわよ?」
む、桃と白と緑の串団子か。地方の名産品らしい食料には興味がある。何せ、狩りの現場で食べられる物といえば持ち込んだ携帯食料か、現地調達した物しかない。
「では馳走に……」
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