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翠碧色の虹
第八幕:閉ざされた虹
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、プリント依頼してくるよ」
七夏「ぷりんと・・・あ、はい☆ 楽しみにしてます♪」
凪咲「七夏、柚樹君。はい、どうぞ!」

凪咲さんが、よく冷えたお茶と、和菓子を持ってきてくれた。

時崎「ありがとうございます。凪咲さん」
七夏「ありがと。お母さん! あ、今日は和菓子もあります!」
凪咲「それじゃ、夕食の準備いたしますね」
七夏「あ、私も・・・」

・・・と、七夏ちゃんが言いかけた時、

凪咲「七夏、お茶を飲んで、今日は、ゆっくりしてなさい」
七夏「あ、はい」
凪咲「柚樹君、ありがとう」
時崎「あ、はい」
七夏「???」

七夏ちゃんと全く同じような返事をした俺を、不思議そうな目で七夏ちゃんが見てくる。

時崎「? 七夏ちゃんどうしたの?」
七夏「え? あ、この和菓子、色が綺麗だなって・・・」
時崎「確かに、色鮮やかで、見て楽しめる工夫がされているね」
七夏「はい☆」

ん? ちょっと待てよ。ここにある和菓子は色々な色が使われている、それこそ、ぱっと見では7色あるけど・・・七夏ちゃんは、どのように見えているのだろうか?

時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい!?」
時崎「ちょっと、訊いてもいいかな?」
七夏「はい☆」
時崎「この和菓子、何種類ある?」
七夏「えっと、七種類・・・かな?」
時崎「そう・・・七種類・・・か・・・ありがとう」
七夏「???」

俺は、色の事を悟られないように種類で聞いてみたが、今の答えから、七夏ちゃんは、虹以外の色の判別については特に、問題は無い様子で、ここにある七つの色の和菓子は、俺と同じように七つの色として感覚できているようだ。なぜ、虹の色だけは見え方が違うのだろうか・・・。考えても仕方が無いか・・・俺は更に話題を変える。

時崎「七夏ちゃんは、好きな色ってある?」
七夏「えっと、青色・・・かな」
時崎「青色か・・・俺も、空の青とか水色が好きかな」
七夏「くすっ☆」

七夏ちゃんと、共通の好みがあった事が嬉しい。視線を感じ、七夏ちゃんの方を見ると、ばっちりと目が合ったが、なぜか七夏ちゃんは慌てて視線を逸らしてしまった。大きく変化する瞳の色がとても印象的/魅力的に思う。写真には記録できない「ふたつの虹」を、俺はこれからも追いかけたいと思うようになっていた。

第八幕 完

−−−−−−−−−−

次回予告

虹は、いつも見えている・・・少し角度が変わると、見えなくなるだけで・・・

次回、翠碧色の虹、第九幕

「見えていない虹」

ご期待ください!!!

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