ペルソナ3
1807話
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う。
あー……腹を壊さないといいんだけどな。
犬の様子を眺めていると、舞子は犬と一緒にハンバーガーを食べたのが嬉しかったのか、笑顔を浮かべている。
「ね、ね。お兄ちゃん。私が来た時、ワンちゃんと遊んでたよね? 何してたの?」
「何って……木の枝を投げで遊んでたんだよ。この犬は投げた木の枝をキャッチして持ってくるのが好きらしいしな」
「本当? じゃあ、私もやってもいい?」
好奇心に目を輝かせて告げてくる舞子に、少しの間どうするべきかと迷う。
迷うも……やりたい思いを全身で表している舞子に見られれば、それを断るのもどうかと思う。
勿論、何か危ない要素があるのなら止めさせるように考えもしただろう。
だが、幸いにも木の枝を投げるというのは、別に舞子にとって危険な要素はない。
木の枝の先端が舞子に刺さるとか、犬が舞子に危害を加えるかもしれないとか、色々と危険要素を考えようとすれば、それはあるだろう。
だが、何でもかんでも、危険だからと行動を禁止するような真似をしても、それは子供にとって決していい環境ではない筈だ。
何だったか……あまりにも小さい頃から泥遊びとかさせないようにした子供達は、ウィルスとかに対する抵抗力が落ちているとか何とか……そんな話だった気がする。
勿論、これはそこまで大袈裟なものではないだろうが。
ともあれ、舞子は木の枝を持って犬に言い聞かせていた。
「いい? 舞子がこの木の枝を投げるから、ワンちゃんはこれを取ってくるんだよ?」
「ワン!」
舞子の言葉を理解してるかのようなタイミングで、犬が吠える。
……もしかしてこの犬、本当に人の言葉を理解しているんじゃないだろうな。
いや、ここは何らかの原作がある世界だ。
であれば、人の言葉を理解出来る犬がいても、不思議ではない。
「いくよー! えーい!」
その言葉と共に、舞子が木の枝を力一杯投げる。
だが……結局それでも、木の枝を投げたのは小学校低学年の舞子なのだ。
当然のように俺が投げた時のように遠くに飛んでいったりはせず、それ程離れていない場所に木の枝が飛ぶ。
犬は、そんな木の枝を拾うべく走り始め……丁度そのタイミングで、俺の携帯が鳴る。
うん? 誰だ?
……誰だと言っても、俺の携帯に番号が登録されているのは、ゆかり、荒垣、眞宵堂の店主の3人だけなんだが。
そして携帯に表示されているのは、ゆかりの番号だった。
「もしもし、ゆかりか? どうした?」
時間的には既に午後3時……いや、4時近い。
そうなれば当然月光館学園でも授業は終わっており、既に帰っているのか、それとも弓道部で練習をしているか。
そのどちらでもおかしくはないんだが……いや、携帯に電話をしてきたって事は、
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