ペルソナ3
1807話
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「ふーん、そうか。舞子は前からこの神社に遊びに来てたのか」
「うん、そうだよ。このワンちゃんともいつも遊んでるんだ」
そう言いながら、舞子は犬を撫でる。
犬の方も撫でられるのは慣れているのか、特に抵抗する様子を見せてはいない。
このくらいの年齢なら、それこそ他の子供達と遊んでいるのが楽しいと思うんだが……まぁ、何か事情があるのかもしれないし、俺はここで会っただけだ。
舞子の保護者でも兄弟でも親でもないのだから、その辺りを特に突っ込む必要はないだろう。
「ねー、お兄ちゃん。舞子ちょっとお腹減った」
「うん? ……ほら、取りあえずこれでも食えよ」
何故か急に空腹を訴えてきた舞子に、俺は空間倉庫から取り出したハンバーガーを渡す。
もっとも、ハンバーガーはハンバーガーでも、このハンバーガーは専門のハンバーガー店で買ったハンバーガーだ。
それこそ、その辺のファーストフード店のハンバーガーとは比べものにならないくらいの味だろう。
「え? いいの?」
自分で腹が減ったと言ってきた割に、ハンバーガーを渡すと何故か遠慮した様子を見せる。
「気にするな。このハンバーガーは美味いハンバーガーなんだし、折角だから冷えないうちに食えよ」
「……う、うん。ありがと!」
少し躊躇った様子の舞子だったが、やがてハンバーガーを受け取るとそのまま齧りつく。
包み紙で押さえる事が出来なければ、恐らく食べている途中で零れてしまうだろう、そんなハンバーガーだったが、それだけに舞子にとっても美味かったのだろう。
一口食べると、目を大きく開く。
大人と子供だと味覚は結構違うから、大人にとっての本格的な味というのは、必ずしも子供に受け入れられるとは限らないのだが、このハンバーガーは見事に受け入れられたらしい。
「美味しい! 美味しいよ、お兄ちゃん!」
「そうか、それはよかったな」
値段にして、ハンバーガー1つで1000円オーバーの代物だ。
これで不味いとなれば、店は早々に潰れるだろう。
「ワフゥ……」
そんなハンバーガーを食べている舞子を見て、犬が羨ましそうに鳴く。
「お前には、さっきやっただろ?」
「ワン!」
足りないと言いたいのか、犬は俺の方を見て吠えてくる。
「はい、ワンちゃん。これ、ちょっとあげるね」
そんな犬を見て可哀想に思ったのだろう。、舞子はハンバーガーを少し千切ると地面に……正確には石畳の上に置く。
ハンバーガーにはタマネギとかピクルスとかそういうのが入ってるんだが、刺激の強いのって食べさせても良かったんだったか?
そんな疑問を抱くも、犬はハンバーガーの食欲を刺激する香りに我慢出来なかったのか、あっという間にハンバーガーを食べてしま
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