???竹林の国の物語(終)?
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―ようと思っていましたのに…どうしてでしょう。
『………』
千年魔京に来るのお客様はほとんどいないのです。唯一来る客といっても、うわふわ浮いている人魂だけ。
人魂は食事をしません。酒は飲みません。男も女もめでることはありません。お金を欲しません。遊戯なんてしません。
彼ら(人魂)が私の千年魔京へやって来るのは、生前の記憶故に。現世で行っていた行動の再現をしようとしているだけです。
「嗚呼 なんてつまらないのでしょう」
これでは商売あがったりというものです。せっかく、ラプンツェルが遊びに来てくれたのに『つまらないの』と言われ帰ってしまいました。
どうしてくれるのでしょう。十匹の獣たちの毛を一本、一本抜いていくだけでは怒りが収まりません。
「どうすれば、この怒りは収まるのでしょうか。
どうすれば、まともなお客様が来てくださるのでしょうか」
千年魔京が開店して早々、私はまた新たな悩みが種が出来てしまい、頭を悩ませる日々に逆戻りなのでした。
せっかくゲヘナで一番の娯楽施設、千年魔京を作り上げたというのに、肝心のお客様が来ないのです。
どうしてなのでしょう。
お酒も 美男美女も 美味しいお料理も 楽しい遊戯も 全て揃っているというのに…。
私は何かいい案はないかと、東の領地を出てふらふらとお散歩です。今のところ何も思い浮かんではいませんが、きっと何かいい案が浮かぶはずですわ!
「あら? あれは…」
川沿いに沿って歩いていると、海をぼんやり眺めている???お姉さまと出会いました。
夕暮れ時、夕日が沈む海を見ながら黄昏がれている???お姉さま。う〜ん、絵になります。羨ましい限りです。
「ごきげんよう。???お姉さま。海を見てなにをしていますの」
『………』
答えは帰ってきません。ええ、分かっていましたとも。???お姉さまはとてもマイペースなお方、まともにお話をしようとする方が無理なのです。
だから私も勝手に話しかけます。
「この間、ゲヘナで一番の娯楽地を作りましたの。名前は千年魔京。千本の桜の木がありますのよ?」
『………』
「なのに、なぜかお客が来ないのです。来ると言っても魂ばかり、それではつまらないのです」
『……魂以外に誰がくるの?』
あら。食いつきましたわ。まさか話にのってくるとは思っておりませんでした。
でもこれはある意味チャンスです。このまま、相談してみましょう。
「魂では私を苛んだり、虐めてくれたりしません。それでは駄目なのです、私よりも強くて私を虐めてくださるご主人様も探したいのです」
『……』
そしてまた無言になる???お姉さま。やはり難しいお方…
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