697部分:第五十五話 華陀、徐州に入るのことその六
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第五十五話 華陀、徐州に入るのことその六
「中央を掌握した勢力が専横と悪政を極めてだ」
「地方を圧迫してね」
「それでなのね」
「今の牧達は全員宦官達と仲が悪いしな」
そうした意味で彼等は同じなのだった。
「擁州の董卓は比較的いいようだが」
「軍師の女の子が宦官に必死に働きかけてるからね」
「それでだからね」
「あの眼鏡の少女だな」
華陀は彼女のことも知っていた。そのうえで二人に話すのだった。
「真面目で友達思いのいい娘だがな」
「それがかえってね」
「問題になったりするから」
「そうだ。裏目に出なければいいが」
華陀は彼女のことを真剣に憂慮していた。
「それがな」
「そうよね。擁州は都にも近いし」
「董卓ちゃんは曹操ちゃんみたいに果断なところはないし」
董卓自身も問題だというのだった。
「そこも危ないわね」
「そうよね」
そんな話をしているとだ。彼等のところにだ。
まず刀馬と命が来た。そうして彼等に声をかけるのだった。
「呼んだか」
「何かあるのですか?」
「ああ、これからある」
華陀が真剣な顔で二人に話した。
「これからな」
「では今のうちにか」
「何かをするのですね」
「ええ、そうよ」
「まあ情報収集ね」
それだとだ。二人が話すのだった。
「ここで怪しい人達がいるかね」
「調べてそれからよ」
「表立っては動かないな」
獅子王も来ていた。そうして話すのだった。
「そうだな」
「ああ、潜伏という形になる」
実際にそうだという華陀だった。
「表に出るのはここぞという時だ」
「わかった」
「では。今は」
「とりあえず目立たないようにしてくれ」
華陀はとにかくこのことは念押しした。
「いいな」
「しかし。この国で起こっていることはだ」
「考えれば考えるだけ不穏なものだな」
ギースとクラウザーも来た。
「私はそれについては特に思わないがな」
「俺もだ」
刀馬もそれは同じだった。
「だが。テリー=ボガードとまた会いだ」
「俺は蒼志狼だ」
「倒せればいいのだがな」
「その助けをしてくれるのならそれでいいが」
「ああ、それはおいおいわかるわ」
「少しずつね」
貂蝉と卑弥呼が彼等に話す。
「だから待って」
「今はね」
「わかっている。今はだ」
「そうさせてもらう」
二人も彼等のその言葉を受けて頷く。
「とにかく今はな」
「静かに調べるとするか」
「ふん、まあいいだろう」
ミスタービッグも話す。
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