第四十一話 神戸でもその三
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「そもそも」
「実際に楽しいからですよ」
「だから何で楽しいのよ」
「何でって先輩と一緒だからです」
「私と一緒でどうして楽しいのよ」
このこと自体が訳がわからないことでした、それで私はまた言いました。
「いつもながら訳がわからないことを言うわね」
「そうですか?」
「そうよ、本当に」
「それでなんですけれど」
「今度は何よ」
「先輩って確か三人姉妹ですよね」
「何で知ってるの?」
今の質問にはびっくりしました、何で私が三人姉妹なのか知ってるのか。
「誰かに聞いたの?」
「先輩自分で僕に言ってましたよ」
「そうだったかしら」
「はい、先輩は三人姉妹の長女さんで教会の跡継ぎですよね」
「ああ、そういえば言ってたわね」
言われて気付きました、私も。
「今思い出したわ」
「そうですよ。それで今から先輩の教会にですね」
「行きましょう、水族館が開くまで」
それまで本当に時間が結構あるからです。
「お家にね」
「いやあ、凄く嬉しいですね」
「だから何でそう笑顔なのよ」
「嬉しくて仕方がないからですよ」
「ただ教会に行くだけじゃない」
私としては本当にそれだけです。
「それで何でそんなに嬉しいのよ」
「先輩のお家だからですよ」
「普通の教会よ」
確かに大きい方かも知れませんがそれでもです。
「至ってね」
「いやいや、それでもですよ」
「本当に変な子ね。けれどこうなったら仕方ないから」
何か自分でも言い訳みたいな言葉ですけれどそれでもでした、こう言ってです。
私は阿波野君をお家である教会に案内しました、その歩く中でも阿波野君は私ににこにことして言ってきます。
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