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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
696部分:第五十五話 華陀、徐州に入るのことその五
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第五十五話 華陀、徐州に入るのことその五

「ですから宦官達にも」
「惑わされることはないですか」
「そう思います」
 これが呂蒙の見たところだ。
「ですが問題はです」
「帝が代わられてもですか」
「宦官達が武力を持てば」
 その場合のことをだ。さらに考えていく呂蒙だった。
「帝から疎んじられてもです」
「力を持ちますか」
「大将軍との政争に勝たれれば余計に危ういです」
 その話を続ける呂蒙だった。
「天下にとって」
「そうですね。今の宦官達は自分達のことしか考えていませんし」
「その欲望を満たすことだけ考えていますね」
「そうなんですよ。とにかく酷いんですよ」
 周泰は眉を顰めさせて話していく。
「今の宦官達は」
「そんなに酷いんですか」
「私腹を肥やすなんてものじゃなくて」
 そうだというのである。
「もうやりたい放題で」
「民を虐げているんですね」
「はい、もう徹底的に」
 そうだというのだ。
「流石に大将軍はそこまで酷い人じゃないですし」
「それでかろうじてその専横が止められていると」
「それが今の都です」
 周泰は話していく。
「本当に大変なんですよ」
「困ったことですね」
「各州の方がずっと平穏だと思います」
「私達の揚州もですね」
「そうですね。孫策様は善政を心掛けておられますし」
 それは間違いなかった。孫策はどちらかというと武の人間だが政治家としても決して劣っている人物ではないのである。しかもだった。
「それに張昭さん達がいますから」
「人材もですね」
「はい、及ばずながら私達も」
 呂蒙の顔が真面目なものになった。
「頑張ってそうして」
「孫策様と民達の為に」
「やっていきましょう」
「是非共」
 こんな話をしながら都に向かう二人だった。だがその話は怪物達に聞かれていた。
「ううん、都ねえ」
「相変わらず大変なのね」
 木の陰から出て来てそれぞれ言うのだった。
「あそこも何とかならないかしら」
「むしろ他の州の方がずっといいからね」
「ええ、この徐州や益州は牧がいないから今一つだけれど」
「それでも他の州はね」
「それも危険だからな」
 二人のところにだ。華陀が出て来て話す。
「中央の力が弱く各州が強いとな」
「そうそう、群雄割拠ね」
「それになるからね」
「この国は中央集権だからな」
 この世界の中国もこれは同じだった。
「中央が地方をまとめる形だからな」
「それで中央が混乱して地方がまとまっていたら」
「まずいのよね」
「このままだと本当に」
「大変なことになるかも」
「兵乱が起こるな」
 華陀も眉を顰めさせていた。
「特に危ないのはだ」
「さっき話してたけれど」
「この徐州や益州よね」
「そこ
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