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とある3年4組の卑怯者
18 迷惑(ほりうち)対卑怯(ふじき)
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浴びせた。笹山は再び堀内にビンタをする。対して堀内は自分を抑えつけている杉山を振り払い、笹山に襲いかかろうとした。
「笹山さん!!」
 藤木も大野を振りほどき、堀内に飛び掛かった。
「おい、藤木!」
 大野が叫ぶも、藤木は構わず堀内の右頬にパンチをかました。そして、藤木は堀内に馬乗りする状態になった。
「いい加減にしろ迷惑者(ほりうち)、笹山さんに手を出すな!!」
 藤木はもう一発、堀内の左頬を殴り付けた。チャイムが同時に鳴り、3年の先生達が来た。
「こらっ、お前らやめんか!!」
 1組の担任が叫んだ。そして、戸川先生と二人で藤木を引き離し、反撃しようとする堀内を2組の担任と3組の担任で抑えた。二人は(まと)めて叱られた。藤木は喧嘩を仕掛けられた側であった為に喧嘩した事を叱られた程度で済んだが、堀内は問題を起こし続けていたせいで、暫くの間母親の監視の下で授業を受ける羽目になり、授業妨害を不可能にされた。なお、笹山は2組の学級委員の横須と南江から謝罪を受けたが、二人に対しては寛容な態度で接し、怒りを見せなかった。
 
 藤木が教室に戻ると、まる子とたまえ、リリィが出迎えた。
「藤木、アンタ笹山さんを必死で庇ったね〜。今のアンタは全然卑怯じゃないよ」
「そうだよ、カッコよかったよ」
「ありがとう、さくら、穂波・・・。でも、一緒に叱られたし、結局は引き分けだよ」
「そんなことないわ、藤木君の勝ちよ。皆藤木君の味方してたし、最後の殴打(パンチ)決まってたわよ」
 リリィが褒め讃えた。
「リリィ・・・。ありがとう・・・」
 今の藤木は卑怯者ではなかった。迷惑者の堀内に裁きを与えた英雄となり、3年生殆どの生徒から労わられた。

 下校時、藤木は野口に呼び止められた。
「藤木・・・。アンタ笹山さんと何も話さずに帰るのかい・・・?」
「え?」
「笹山さんはすぐに来るよ・・・。それじゃ、二人で話を楽しむといいよ・・・。クックック・・・」
 野口はそう言って帰っていった。
(そういえば笹山さんとはあれから話をしていなかったな・・・)
 そして笹山が現れた。
「藤木君・・・」
「笹山さん・・・、昨日は変なこと言ってごめん、それに今日も僕はまた君に助けられたね」
「ううん、こっちこそありがとう。でも私は藤木君のことを解っているようで解っていなかったわ。藤木君は私のことが好きだったのね・・・」
 藤木はついに気づかれたと、緊張で心臓の鼓動が強く響くのを感じた。
(やっぱり僕の事を嫌がるんだろうか・・・。そうだよな、僕みたいな情けないヤツなんか好きになれるわけないよな・・・)
 笹山は話を続けた。
「私は藤木君と初めて会ってから、卑怯って言われる藤木君が辛そうに思ってもっと元気出してあげたいと思っていたけど、それで私の事
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