ペルソナ3
1806話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
では殆ど身動きが取れないだろう。
そうして動けない状況でシャドウから魔法を食らうと、無駄にダメージを受けるだけになる。
……うん、グリが被害を受けるだけになりそうだし、止めておいた方がいいかもな。
ああ、でも俺の正体を知っているゆかりになら、影時間に乗せて空を飛ばせても……駄目だな。影時間に地上を移動するといった真似ならまだしも、空を飛ぶなんて派手な事をすれば、間違いなく桐条グループに見つかる。
けど、そうすると……俺が最初にこの世界に来て、シャドウに襲われているゆかりを助けた時って、結構危なかったのか?
ゆかりを横抱きにして、空を飛んでたし。
見つからなかったのは、運が良かったから……それとも、実は既に見つかって、泳がされているだけか。
いや、後者なら気配や視線を感じてもおかしくはないな。
もっとも、監視カメラの類を使っているのであれば、話は別だが。
人の気配は感じ取れても、監視カメラとかだとこっちも存在を察知したりとかいうのは不可能だ。
勿論スライムを使えばそういうのを見つけるのは難しい話ではないんだが……
俺に頭を擦りつけてくる犬を撫でながら、そんな風に考える。
「ワン! ワンワン!」
ふと、撫でられている状態から一旦離れた犬は、そのまま少し離れた場所に落ちていた木の枝を咥えてこっちに近づいてきた。
「うん? どうしたんだ? ……この枝を投げろってのか?」
犬と遊んでいるイメージから考えてそう告げるが、その答えが正解だったのだろう。
犬は俺の言葉に嬉しそうに尻尾を振る。
いや、正確には元々尻尾を振っていたのだが、それまでよりも更に強く尻尾を振る……といった方が正しいか。
「ワン!」
「分かった分かった。……ほら、行くぞ!」
そう叫び、枝を軽く投げる。
もっとも、軽くではあっても、あくまでも俺にとってはの話だ。
真っ直ぐに空を飛んでいく枝は、空気を斬り裂くかのような速度となっている。
それを見た犬は、それこそ嬉しそうにしながらも、真っ直ぐに木の枝を追う。
ただ、ひたすらに木の枝を追うその様子は、犬というよりどこか狼を連想させた。
犬がこうして投げた木の枝やボール、フリスビーといった物を追うのは、半ば本能に等しく、狩りの練習でもある……というのは、誰に聞いたんだったか。
ともあれ、今の犬はその本能を剥き出しにしたかのように木の枝を追う。
当然ながら、俺が本気で投げた訳でもない木の枝は、いつまでも飛んでいる訳もなく地面に落ちる。
そうして速度が落ち、地面との距離を縮めていった頃……犬は素早く跳躍し、木の枝を口で咥える。
見事着地をすると、どうだ! と言わんばかりに俺に視線を向けてくる。
「おおー……うん?」
犬の様
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ