ペルソナ3
1806話
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他の客達からは拍手と歓声が上がる。
今は昼時な以上、当然のようにこのラーメン屋にはそれなりに客がいて、その殆どが俺が食う様子を見ていたのだ。
「しょ……賞金、2万円だ……」
「悪いな」
丼と並んだ写真を撮って貰った後で、店主から封筒に入った賞金を貰う。
2万円。空間倉庫に色々と金目の物が入っている俺にとっては対した事のない金額だったが、普通に暮らしている者にとっては2万円というのはそれなりに大きな金額だろう。
腹一杯……って訳じゃないが、それでも20人前のラーメンを無料で食べ、それどころか2万円の賞金まで貰えたのだから、今日の俺に取ってはこの昼食は最高のものだったと言えるだろう。
ラーメンそのものも、それなりに美味かったしな。
「……信じられねぇ……お前の腹の中は一体どうなってるんだよ?」
俺をこの店に連れてきた不良が、文字通りの意味で化け物でも見るような視線をこちらに向けてくる。
まぁ、その気持ちは分からないでもない。
普通なら俺みたいな奴がこれだけのラーメンが食えるとは、とてもではないが信じられないのだろう。
「ま、世の中には色々と不思議な事もあるんだよ。……じゃあ、世話になったな。これからは無謀な真似はしない方がいいぞ」
ラーメン屋から出ると、この店を教えてくれた不良にそれだけを告げ、別かれる。
……もうこの店の挑戦メニューに挑戦は出来ないだろうな。
店の方でも、絶対に自分達が負けるという勝負はしないだろうし。
もっとも、この店のラーメンは他の追随を許さない程に美味い! って訳でもなかったのを考えると、駅前から結構歩くんだし、わざわざ来る必要もないか?
ともあれ、不良と別れると俺は次に何をするべきか考える。
そして、ふと自分が初めてこの世界にやって来た時にいた神社を思い出す。
別にそこに行けばホワイトスターに戻れるという訳ではないのだが、それでも何となくあの神社に行こうと思ったのだ。
ただ、残念な事に、俺はあの神社がどこにあるのかというのを覚えていない。
場所的に巌戸台だとは思うんだが、あの神社に転移してから色々と歩き回ったしな。
そんな訳で、何となく……本当に何となくあの神社に行ってみたくなり、そのまま影のゲートに身体を沈み込ませていく。
そうして巌戸台に……俺のアパートからは結構離れている場所にやってくると、そのまま周囲の様子を眺めながら歩くが……
「うーん、見つからないな」
30分くらい腹ごなしに歩き続けてみたが、結局神社はどこにもない。
自分だけで探すのは無理だったか?
そう判断すると、俺は近くにあるコンビニに入り、ペットボトルのジュースを何本かと、おにぎり、雑誌といったものを適当に買い、店員にこの辺にある神社の場所
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