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提督はBarにいる。
提督の挑戦状・2
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た。

「darling、ただいまデ〜ス……」

扉を開けて入ってきたのは、やたらとくたびれた様子の我が嫁・金剛だった。

「おぉ、おかえり。随分と早かったじゃねぇか」

 実は金剛を含め、主戦力メンバーのほとんどはヨーロッパ方面に出現したという姫級撃退の為に地中海へと大規模な遠征に出ていた。流石におれまで鎮守府を離れる訳にもいかず、現地の指揮は金剛に任せつつ、テレビ電話でやり取りしながら作戦を遂行。何日か前に作戦完了の報告を受けていた。

「で、首尾は?」

「撃沈0、何人か新しい艦娘も合流する予定だヨ〜」

 なんでも、向こうで新たに発見された艦娘が居たらしく、現地の造船所で急遽建造してそのままウチの艦隊が受領。護衛して本土まで届けるようにとの任務を仰せつかったらしい。しかし作戦完遂した途端に居ても立ってもいれなくなり、護衛任務を妹達にほっぽりだして帰って来てしまった、とは本人談だ。

「だったら尚更現地に居ろよ。お前司令官代理なんだからよ」

「だ、だって我慢出来なかったのデス……2週間も離れ離れだったんデスよ?」

 む〜っと頬を膨らませてご機嫌斜めな様子の嫁さんの頭をワシャワシャと撫でてやる。

「わかったわかった、とりあえずお前は風呂入ってこい。汗臭いからな」

 相当に無理をして来たのだろう、金剛は汗だくで潮風に長時間当たっていたのもあってかなり臭っていた。


「うぅ……そうします」

 やれやれ。少しは落ち着きが出てきたかと思えば。

「店長、そんなに気になるなら様子を見てきては?」

 ジト目でこちらを見ていた早霜がそう呟いた。

「あ?別に気になんて……」

「なら、何で貧乏揺すりなんてしてるんです?」

 おっと、無意識にやっていたらしい。正直に言うとあそこまでやつれた様子の金剛は見た事が無かった為に心配ではあった。しかしまだ店も営業中だ、投げ出す訳にもいかんだろ。

「私がこのあとの営業は引き継ぎます。司令は奥様を労ってあげて下さい」

 そう言いながらグイグイとカウンターから押し出される。

「……んじゃ、お言葉に甘えるとしますかね」

 店を後にして、金剛が向かったであろう風呂場に足を向ける。このあと、風呂から悲鳴が上がったのは別の話。
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