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提督はBarにいる。
提督の挑戦状・2
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が9匹だ」

 実はこれ、簡単な解き方がある。鶴と亀の数を変数にして連立方程式で求めるのが一般的な解き方なんだが、亀を分けて考える事で簡単に答えを導き出せる。

 解き方としてはこうだ。まず、鶴と亀の総数20に、2をかける。すると、『頭と足2本』の組み合わせで足が40本ある事になる。これは鶴の総数と、亀の半身の足の総数を合わせた数だ。 

 次に、足の総数58から40を引く。そうすると亀のもう半分の身体に付いている足の総数が求められる訳だ……そしてその総数は18。後はこの18を2で割れば、亀の総数が自然と解る。こうやって解けば鶴と亀の数を方程式無しで求める事が出来るって訳だ。





「へーぇ、面白いじゃん。提督、他にもっとないの?」

 眼鏡の奥の瞳を光らせて、望月が聞いてきた。

「そうだな……同じような数学問題がいいのか?」

「アタシ意外と数字強いからね〜、ナメんなよ?」

「なら鶴亀算より難しい、中国の数学パズル、百鶏問題だ。『雄鶏は1羽500円、雌鶏は1羽300円、ヒヨコは3羽で100円とする。出来る限り雄鶏を多くしつつ、1万円で100羽買いたい。さて、どう組み合わせて買えばいいか?』」

 これはさっきの方程式よりも難しい、不定方程式を使わないと解けない問題だ。

「提督、紙とペンある?」

「ほらよ」

 望月はペンを受け取ると、紙にスラスラと式を書き始めた。お?どうやら解き方は解っているらしいな。

この問題の場合、雄鶏の数をA、雌鶏の数をBとするとヒヨコは(100−A−B)という事になる。ただし、ヒヨコの数は3の倍数で無ければならない。この事から、

(5×A)+(3×B)+{(100−A−B)÷3}=100

という式が導き出される。そしてコレを解きやすく整理すると、

(7×A)+(4×B)=100

よって、

7×A=4×(25−B)

この式から、雄鶏の数であるAは4の倍数である事が解る。後はAに4の倍数を当て嵌めて行けば答えが導き出せるんだが……

「出来た、多分あってるよ」

「んで、答えは?」

「雄鶏が12、雌鶏が4、ヒヨコが84」

「正解だ、やるなぁ望月。さぁ好きなのを頼んでくれ、俺の奢りだ」

「あっそう?んじゃ遠慮なく」

 望月はそう言うと、早霜にウィスキーのボトルとグラスを4つ頼んだ。あ、まさか望月お前。

「にっしっし、『グラス一杯』とは言わなかったろ?提督」

「してやられたぜ、まぁ俺のミスだ……しょうがねぇやな」

 ニヤリと笑って見せた望月は、祝杯でも上げるかのように、姉妹達とグラスをぶつけた。




 望月が俺から勝ち取ったボトルが空になると、千鳥足で4人は帰っていっ
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