第一章
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生ものには注意
長居史奈はスーパーでバイトをしている為か生もの特に海鮮ものの新鮮さにはよく気がつく。それで家族で買いものに行ってもだ。
母よりも気付いてだ、こう家族に言うのが常だ。
「こっちの秋刀魚の方がいいから」
「新鮮なのね」
「そう、だから買うならね」
こう母に言うのだった、この時はスーパーで秋刀魚を買おうとしていたが史奈が目利き役になっている。
「こっちの秋刀魚よ、あとね」
「他の秋刀魚も」
「選んでいい?」
「ええ、じゃあね」
史奈が言うならとだ、母もだ。
史奈の言う魚を選んで買った、とかく史奈は魚の新鮮さを見極める目ははっきりしている。それでだった。
所属しているテニス部の部活の合宿の昼食の時にバーベキューを焼いている時にだ、ここでも魚達を見て言った。
「ちょっと火を通した方がいいわね」
「バーベキューにしても」
「焼くにしてもなのね」
「少しね」
然程ではないにしてもというのだ。
「古いから」
「別にそうは思わないけれど」
「鮮度が落ちてるっていうのね」
「そうなのね」
「だから生焼け状態だと」
その状態で食べると、というのだ。
「危ないわよ、この魚介類は」
「食中毒になったら怖いし」
「特に今の季節はね」
「それじゃあね」
「史奈ちゃんの言う通りにね」
「よく火を通して」
「それで食べましょう」
こう話して実際にだ、皆バーベキューの魚介類は念入りに火を通してそれから食べた。すると誰も食中毒にならなかった。
史奈は少しでも鮮度が落ちた魚介類はよく火を通していて生ものは極めて新鮮なものだけ食べている。
その彼女にだ、史奈が母の実家で海沿いの街に来た時に従妹の娘が聞いてきた。
「お姉ちゃんってお刺身も好きよね」
「ええ、好きか嫌いかっていうと」
どうかとだ、史奈も答える。二人で夕食後に縁側で西瓜を食べて涼みながらこうした話をしているのだ。
「好きよ」
「冷奴も好きでね」
「お刺身もね。お素麺程じゃないけれど」
それでもというのだ。
「好きなのは事実よ」
「それでかなり新鮮じゃないと」
「食べないわ」
実際にというのだ。
「それでね」
「それで?」
「他のお魚もね」
刺身で食べる以外もとだ、史奈は従妹に話した。
「新鮮かどうかをね」
「見てるわよね」
「それで少しでも鮮度が落ちると」
その時はというのだ。
「火を通していて酷いと」
「食べないわね」
「そうしてるの」
そうだというのだ。
「気をつけてるの」
「どうしてそんなに気をつけてるの」
「いや、実はね」
西瓜を食べつつだ、史奈は従妹に話した。二人で西瓜を食べながら外に見える星空を見てその輝きも楽しん
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