第一章
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知らないよ。誰だよそれ」
まさにだ。彼にとってはそういったものだった。
「一体な」
「じゃあ本当に嘘なのね」
「そのことは」
「そうだよ。赤坂だってそうだろ」
「援助交際なんかする筈ないでしょ」
クラスの女子の間での中心人物である赤坂はだ。怒った顔でその噂を否定した。
「そんなこと。絶対に」
「だよな。それは」
「絶対に嘘だよな」
「あのね。援助交際なんかしなくてもアルバイトしてるから」
だからだというのだ。その赤坂は。
「お金には困ってないわよ」
「そうだよな。というか御前そんなことしないからな」
「援助交際なんてね」
「そうよ。絶対にしないわよ」
赤坂はムキになって否定した。そしてだった。
堀口、文芸部の彼もだ。こう言うのだった。
「うちの部活部費足りてるし」
「ましてやあんたが生徒会長にお金工面してもらったとかね」
「普通ないわよね」
「幾らあんたと会長さんが幼馴染でも」
「そうよね」
「そうだよ。僕と会長にはそんなつながりないし」
金を工面してもらうような。そんなつながりはだというのだ。
「誰があんなこと書いたんだよ」
「私がアニメヲタ?それがどうしたのよ」
長い髪の少女清水はその髪を不機嫌そうにかき上げながら言った。
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