693部分:第五十五話 華陀、徐州に入るのことその二
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第五十五話 華陀、徐州に入るのことその二
「あれだな。数え役萬三姉妹か」
「ああ、最近大人気の」
「旅芸人の三人ね」
「確かに素質はあったが」
華陀も三人のその力は認めていた。
「それでもだ。あの急な売り出しはだ」
「何かある」
「そう見るのね」
「ああ、絶対に何かあるな」
また言う華陀だった。
「ここはあの三人を探すとしよう」
「問題は何処にいるかね」
「それだけれど」
「飛べるか、今」
華陀は二人に問うた。
「この国の空を」
「ええ、勿論よ」
「任せて」
身体をくねらせながら応える二人だった。
「何時でも飛べるわ」
「この大空を」
「そうか、それならだ」
華陀も二人の言葉を聞きながら話していく。
「空からだ。何処にいるかな」
「調べるのね」
「そうするのね」
「それが一番だからな」
それでだというのである。
「上から見ると横から見るよりわかりやすい」
「そうそう。何でもそうよ」
「色々な場所から見るといいのよ」
「そうだな。それじゃあな」
「ええ、今すぐね」
「飛びましょう」
こうしてだった。二人はそれぞれ両脇から華陀を掴んでだ。そのうえでだった。
空を飛ぶ。そうして上から国を見てだった。すぐに貂蝉が言った。
「あそこにいるわ」
「あの場所か」
「ええ、あそこよ」
こうだ。華陀に話すのだった。
「あそこにいるわね」
「あそこは確か」
「徐州ね」
今度は卑弥呼が話す。
「あのお城にいるわね」
「そうね。間違いないわね」
「見えるんだな」
華陀は何千メートルも下から人を見つけ出せる二人の目について言う。
「凄いものだな」
「私達の目は特別よ」
「そうなのよ」
目だけではないがこう言うのだった。
「だからね」
「普通に見えるのよ」
「そうなんだな」
「そうよ。じゃあ」
「ダーリン、あそこに行くのね」
「とりあえずあの州に入ろう」
こう二人に話した。
「話はそれからだ」
「ええ、じゃあね」
「降りるわよ」
こうしてだった。二人はその場所に降り立った。降り立ってからあらためて話をするのだった。
「皆は後でね」
「ここに呼べばいいわね」
「ああ、それにしてもこれは便利だな」
薄く細長い銀色のものを出して話す華陀だった。そこには押す場所が多くある。
「これを使って呼べばか」
「そうよ、何処にいてもね」
「あっという間になのよ」
「東映の携帯か」
それがその宝貝の名前であった。
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