ペルソナ3
1805話
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気がするな。
戦争があったW世界に比べると、この世界はそこまで大きな騒乱の類がある訳でもない。
だが……いや、寧ろだからこそ、なのか?
何だかW世界にいた時よりも、こっちの世界の方が色々と厄介だな。
勿論、場所の影響とかもあるんだろうが……その辺りは、ちょっと微妙なところだな。
そんな風に考えつつ、俺はその相手を追う。
いや、別にわざわざそんな事をする必要もないんだろうが、この辺りを根城にしている不良であれば、当然美味い飯を食える店とかを知っていてもおかしくはない。
そう考えての行動だった。
「よう、いいところであったな」
「っ!? ……何だよ」
俺から逃げようとしていたのに、あっという間に掴まってしまった事に一瞬驚いた様子の男だったが、やがて俺からは逃げられないと観念したのかそう言葉を返す。
「いい事を教えてやろう。……大魔王からは逃げられない」
「は? いきなりなんだよ?」
「まぁ、俺からは逃げられないんだと思っておけばいい」
「じゃあ、お前が大魔王なのか?」
「否定はしない」
魔王と呼ばれたことはあるが、大魔王じゃない……とは思わないでもないが。
だが、俺がどんな存在なのかは分からない向こうは、やがてこれ以上気にしてもしょうがないと言わんばかりに口を開く。
「それで、何の用件だよ」
「どこかこの辺で美味い料理を食える場所を知らないか?」
「は? いきなり何だよ。……まぁ、昼近いし……ん? あー……そうだな。一件、美味くて大量に食えるラーメン屋があるぞ。少し歩くけど……行くか?」
予想外に素直な様子に、何かを企んでいるのではないかという思いを抱きつつ、そうなったらそれはそれだろうと考えながら男の案内に従ってラーメン屋に向かうのだった。
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