第四章
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「おっさん何してるんだよ」
「その娘どうするつもりだよ」
「騙してホテルに連れ込むのか?」
「あんたそんな小さな娘に何するつもりだよ」
「俺達こう見ても曲がったことは嫌いなんだよ」
見れば柄が悪いのは外見だけで全員目は澄んでいる。
「小さな女の子に手出すつもりかよ」
「幾ら何でもそれは駄目だろ」
「誘拐か?売り飛ばすか弄ぶのか?」
「あんたそんなことしていいと思ってるのかよ」
「どんな外道だよ」
「人間としてそんなことしていいのかよ」
「人として間違ってるだろ」
「早くその娘離せよ」
こうも言うのだった。
「それで警察に連れて行ってやる」
「犯罪者は許さないからな」
「おい、誰が犯罪者だ」
智和はこの言葉にカチンときて言い返した。
「この娘は俺の奥さんだ」
「はあ?嘘言ってんじゃねえぞ」
「どう見たって小学生か中学生だろ」
「おっさん嘘は犯罪者のはじまりだぞ」
「というか犯罪者だから嘘言うのか?」
「俺達がそんな嘘に騙されると思ってるのかよ」
「閻魔様に舌抜かれるぞ」
「そんな嘘はお巡りさんに言え」
「裁判でも言って罪が重くなれ」
「だから違うって言ってるだろ」
智和はまだ言おうとする、だが。
ここで碧はまた免許証を取り出して少年達にそれを見せるとだ、彼等は免許証に書かれている碧の生年月日を見てだ。
碧の顔も見てだ、驚いて言った。その反応はスーパーの警官と同じだった。
「えっ、二十三か!?」
「俺達よりずっと年上だよ」
「免許証の写真も本人だしな」
「じゃあ嘘じゃねえな」
「この人大人か」
「そうなんだな」
「そう、主人だから」
碧は彼等にもこう言った、仕草も同じだ。
「安心してね」
「あ、ああそうですか」
「ご夫婦だったんですね」
「いや、てっきり人攫いかと思いまして」
「本当にすいません」
少年達は恐縮して態度を一変させて智和に謝罪した。
「子供攫ってるって思いまして」
「どっかのインチキ宗教かテロ国家か」
「悪質な犯罪者かって」
「そう思いまして」
「わかってくれたのはいいけれど例え酷いな」
カルト教団だのテロ国家だの言われてだ、智和はそこに突っ込みを入れた。
「どっちも関係ないからな」
「そうですよね」
「いや、何ていいますか」
「奥さんがあまりにも小さくて」
「子供にしか見えなかったんで」
「誘拐か淫行か」
「そういうのにしか」
「どっちにしても犯罪者じゃないか」
誘拐も淫行もだ。
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