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行方不明
第六章
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「一昨日家に帰ったらな」
「どうなったんだ?」
「家族全員からすげえ怒られたよ」
 こう言うのだった。
「もうこれまでにない位にな」
「そんなにか」
「三人共にぶっ飛ばされてな」
 両親にも姉にもというのだ。
「事情話しても何考えてるんだって言われてな」
「そうだろうな」
 直希は匠に実に冷めた目で返した。
「いきなりいなくなったからな」
「そうだっていうんだな」
「ああ、そうだよ」
 それこそというのだ。
「怒られて当然だ」
「そうか?」
「そうだよ、皆必死に捜してたんだぞ」
「俺をか」
「何処に行ったんだってな」
「だから漁に出てたんだよ」
 鮪のそれにというのだ。
「スポーツカーを買う為にな」
「だからってな」
「いきなり連絡せずに乗り込むのはか」
「駄目に決まってるだろ」
 それこそというのだ。
「本当にな」
「そうだよ、それで昨日一日相当怒られたか」
「二度とこんなことするなってな」
「当然だな」
「いや、本当にあんなに怒られたのははじめてだよ」
 匠はまた言った。
「あそこまでな」
「だからそれは当然だ、俺も言うぞ」
「二度とか」
「こんなことするな」
 眉を顰めさせてだ、匠に注意した。
「いいな」
「ああ、随分と心配かけたんだな」
「そうだ、皆どれだけ心配したと思っているんだ」
「人に心配かけたら駄目だよな」
「当たり前だ、だからな」
「二度とだな」
「するな、いいな」
「ああ、わかったよ」
 匠もここで頷いた。
「もうしないな」
「絶対にだぞ」
「それは約束するよ」
「そういうことでな、後な」
「後?」
「金は貯まったのか?」
 このこともだ、直希は匠に尋ねた。
「それで」
「ああ、そっちの話か」
「どうなったんだ、それで」
 彼がいなくなった原因であるそれはというのだ。
「一体」
「貯まったぜ、もうな」
「車買えるか」
「維持費を含めてな」
「それはよかったな」
「大変なだけあってな」
「実入りはよかったんだな」
「向いてるって言われたしな」
 マグロ漁船のその仕事もというのだ。
「かなりのお金入ったわ」
「それは何よりなんだけれどな」
「ああ、けれど親にも姉ちゃんにも二度と行くなって言われた」
「何の断りもなくか」
「他のお仕事や場所もな」
 マグロ漁船に限らずというのだ。
「今度そんなことしたら新潟からある国に行く船に放り込むぞってな」
「万景峰号か」
「あの船にな」
「あの船に乗ったらそれこそな」
 直希も知っていることだった。
「特別な人以外帰って来られないぞ」
「生きてはな」
「船が港離れた瞬間に騙されたって思ったらしいな」
「行った人大変だったらしいな」
「だからもう
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