689部分:第五十四話 三姉妹、変装するのことその七
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第五十四話 三姉妹、変装するのことその七
「歴史にもそう書いてあるし」
「まああれじゃ」
厳顔も話す。
「項王は別格じゃな」
「別格なのだ」
「あそこまで瞬く間に果たせた者はおらん」
それは厳顔も認めることだった。張飛にも返すのだった。
「敗れはしたがのう」
「それでもなんですね」
「やはり大した者じゃった」
劉備にも話すのだった。8
「強さもな」
「けれど。愛紗ちゃんでも勝てないって」
「いや、ここにいる全員が向かってやっと五分だな」
趙雲も項羽についてはこう話した。
「話を聞いているとだ」
「やっとって」
「項羽の強さはそこまでだった」
趙雲はまた話すのだった。
「一人であそこまでできたのだしな」
「まあなあ。正直今の時代にいても凄かっただろうな」
馬超も考える顔で述べる。
「項羽だけはな。洒落にならないよ」
「その項羽のいた場所だけれどね」
黄忠は周りを見回していた。その城のだ。
「牧がいないせいね。今一つ活気がないわ」
「そうですよね。そこそこ栄えていても」
「しっかりとした牧がいないから」
黄忠は馬岱にも話した。
「そのせいでね」
「誰かいないかしら。牧は」
「曹操殿か袁紹殿は駄目なのか?」
魏延は二人の名前を出した。
「あのお二人のどちらかで」
「それか孫策殿じゃな」
厳顔は彼女の名前を出した。
「三人の治める場所の丁度間にあるがのう」
「その間にあるのがまずいと思います」
「それがです」
ここでだ。孔明と鳳統が指摘した。
「お互いに影響し合う場所にありますから」
「簡単に牧に名乗り出られないんです」
「三人共何進大将軍の下にいるのにか?」
魏延はいぶかしむ顔で二人に問い返した。
「それでもか」
「三人共自分達の勢力を持っておられますから」
「ですからそれもあって」
事情は複雑なのだった。
「ここは誰か牧になるのに相応しい方がおられれば」
「三人以外の」
「袁術殿は・・・・・・無理だな」
関羽は彼女の名前を出したがすぐに自分で引っ込めた。
「御自身の場所だけで手が一杯だな」
「はい、そう思います」
「袁術さんも」
二人も彼女についてはこう見ていた。
「あの州は治める領域も人も多いですから」
「それに南部を治めはじめられたばかりですし」
「ですから今は」
「徐州までは」
「そうだな。公孫賛殿も幽州におられるしな」
関羽がこの名前を出すとだった。孟獲がきょとんとして言うのだった。
「誰にゃ?それは」
「そうにゃ。聞いたことがないにゃ」
「何処の誰にゃ?」
「全く知らないにゃ」
トラ、ミケ、シャムも続く。
「誰も知らないにゃ?その人」
「多分存在感が薄いにゃ」
「そうに違いな
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