第三章
[8]前話
「とにかくその迷惑な癖はなおせ」
「なおせなくてもか」
「そうだ、なおせ」
こう言うのだった。
「さもないと御前もっと大変なことになるぞ」
「そうか」
「そうだ、全く変な癖だな」
人が後ろに立つと殴るそれはというのだ。
「何でそんな癖が身に着いたんだ」
「俺にもわからない」
呉瑠後自身もというのだ。
「しかし身に着いてしまった」
「気付いたらか」
「そうだ」
「訳がわからないがなおせ」
先生の言うことは一つだった。
「迷惑千万で御前にとってもよくないからな」
「・・・・・・・・・」
呉瑠後は頷きはしなかった、だが。
彼自身なおす様に努力をした、しかしその努力が実ることはなく。
広島県の比婆山に遠足で登山中いきなりだ、後ろにいる者を殴るので最後尾に追いやられていた
呉瑠後が後ろに気配を感じて後ろにいる相手を殴ると。
何とヒバゴンだった、共にいたクラスメイト達はこれには流石に仰天した。
「ヒ、ヒバゴンだ!」
「凄いや、ヒバゴンは本当にいたんだ!」
「というかヒバゴン殴ったぞ!」
「これやばいだろ!」
殴られたヒバゴンは左頬に一撃を受けのびていた、だが。
仲間達が周りからうじゃうじゃと出て来た、そのうえで子供達に襲い掛かって来た。
「ウガアアアアアアアア!」
「やばい、怒ってる!」
「冗談抜きでやばいぞ!」
「逃げろーーーーーーーっ!」
彼等は必死に逃げた、それで全員何とか助かったが。
「だから何でも殴るな!」
「後ろにいるのをな!」
「さもないとまたこうなるだろ!」
「ヒバゴン殴るな!」
比婆山から出たところで呉瑠後に言うのだった、だが呉瑠後は。
「・・・・・・・・・」
無言のままだった、とかくだ。
彼のこの癖は厄介なものだった、しかもこの癖があらたまるかどうかは難しいところだった。その彼がこれからどうなるかは神のみぞ知ることだった。
後ろに立つと 完
2017・3・18
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