第三章
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盟友である浅井家、信長が妹を嫁がせて取り込んでいたこの家が信長に弓を引いた。それによってだ。
信長は慌てて兵を退きそうしてだった。
朝倉家は難を逃れた、しかしだった。
義景は行いをあらためない、浅井家は信長に弓を引いたが最後後がないので必死に兵を動かしていたがだ。
彼は相変わらず蹴鞠や和歌と側室ばかりだった、そして浅井家の主長政が必死に出陣を要請してもだった。
動かない、それで家臣達はまた言った。
「殿、織田が再び動きました」
「浅井家の方に向かっております」
「我等も兵を出しましょうぞ」
「うむ、兵を出す」
家臣達の要請にはだ、義景はこう返した。
「すぐにな」
「それでは殿もです」
「ご出陣下さい」
「そして織田家と戦いましょう」
「あちらは徳川家も出陣しています」
「激しい戦になるのは間違いありませぬし」
「それには及ばぬ」
ここでもだ、義景の言うことは変わらなかった。
「わしはこの城におる」
「いえ、ここで敗れますとです」
「浅井殿が危うくなります」
「そして当家もです」
「追い詰められます」
「ですから」
「そこまではならぬわ」
義景は何を言われても変わらない、それでだった。
必死に言う家臣達にけだるそうに言葉を返した、それで言うのだった。
「御主達は気にし過ぎじゃ、当家は滅びぬ」
「そう言われますが」
「織田家の力はかなりのものです」
「ここで敗れますとやはり危ういです」
「ですから是非です」
「この度こそは殿がご出陣下さい」
「そして全ての兵に叱咤を」
そうして動かして欲しいというのだ、彼等の士気を奮い立たせて。だがだった。
義景は表情を変えずだ、また言った。
「だからよいと言っておる、御主達が行け」
「左様ですか」
家臣達はもう何も言えなかった、こうしてだった。
義景は今回も出陣せずだ、それでだった。
家臣達だけで出陣し浅井家と共に織田家そして徳川家と戦ったが。
朝倉家はやはり士気が奮わなかった、それで彼等から見て半数程度の徳川家の軍勢に敗れてしまった。そして浅井家もだ。
奮戦したが織田家の数の前に力尽きた、そしてだった。
彼等は敗れた、そうして。
朝倉家は追い詰められた、この負けは大きかった。家臣達はこの状況を誰よりもよくわかっていた。
「駄目じゃ」
「もう当家は終わりじゃ」
「今は織田家は攻めてこぬが」
「他にも敵が多いからのう」
特に本願寺だ、信長は彼等にかなり手を焼いていた。
「何とかなっておるが」
「若し織田家の手が開くとな」
「すぐに当家に来るぞ」
「そうなればどうしようもない」
「浅井家共々やられる」
「そうなってしまうぞ」
そうなるというのだ、しかし義景だけは変わっていなか
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