第二章
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ミカエラはデュラハンの話についてその続きを聞ける時を待つことにした。それはすぐにだろうと思ったがだ。
下宿先を出て職場の学校に向かう朝にだ、隣のマクガレイ家の扉が鮮血で染まっていた。それでだ。
ミカエラは仰天してすぐに自分の携帯で警察を呼んだ、そこでことの事情を話したが。
するとだ、電話の向こうの警官が笑って彼女に言ってきた。
「ああ、わかったよ」
「はい、ではすぐに」
「その扉のことがね」
こう言ってきたのだった。
「わかったよ」
「わかったとは」
「その家の扉のことがね」
まさにそれがというのだ。
「全部ね、だからね」
「すぐにこちらに来てくれますね」
「いやいや、掃除業者を呼ぶよ」
「掃除の?」
「そして血を拭いてもらうよ」
「あの、大量の鮮血がです」
まさに今扉にぶちまけた様にだ。
「扉を染め上げていますが」
「うん、だからね」
「すぐに来て欲しいんですが」
「いや、我々でなくてね」
「掃除業者の方ですか?」
「そして市役所の人と神父様だね」
彼等もいうのだ。
「呼ばないとね」
「あの、確かこのお家はです」
ミカエラは隣家の事情も警官に話した。
「年配のご老人が一人暮らしで」
「そしてだね」
「はい、お身体もかなり弱っておられるとか」
覚えたててたどたどしいアイルランド語で話す。
「ですから何かあったのでは」
「あったのではなくてあるのだよ」
「ある?」
「これからね」
そうなるというのだ。
「だからね」
「掃除業者の方とですか」
「市役所の人と神父さんを手配しよう」
「警察が来なくて」
「そうだよ」
「一体どういうことですか?」
「孤独死は割けないとね」
警官は今度はこう言った、だが。
話はこれで終わった、警官が強引に終わらせた。そしてだった。
実際に掃除業者と市役所の者、それに神父といった面々が来てだった。即座に家の中に入ろうとする。その神父にだ。
ミカエラは怪訝な顔でだ、こう言った。
「あの」
「はい、何か」
「こちらのお家の方は」
「マクガレイさんですね」
「はい、何かあったのでは」
「いえ、何かがあるのです」
「神父様もそう言われるのですか?」
警官と同じことを言うので思わず言い返した。
「何かがあるとは」
「はい、そうです」
「どういうことですか?」
「あの、ご存知ないのですか?」
「何をですか?」
「あちらのことを」
業者達が清掃にかかっているその血糊の扉を指差しての言葉だ。
「貴女は」
「殺人事件では」
「いえいえ、とんでもない」
神父はミカエラの危惧は即座に否定した。
「そうではありません」
「そうなのですか」
「はい」
そうだというのだ。
「確かに
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