688部分:第五十四話 三姉妹、変装するのことその六
[8]前話 [2]次話
第五十四話 三姉妹、変装するのことその六
「そういえばお姉ちゃんもそうだけれど」
「そうだけれどって?」
「今度はどうしたの」
「違う名前で舞台やったことあるけれど」
「楚四義だったわね」
「あれ、誰でもわかってたから」
また突っ込みを入れる二人の妹だった。
「だって。顔そのままだったから」
「わからない人いない」
「袁術さんもそうなのかな」
張角はさらに話すのだった。
「違う名前でお忍びでとか」
「それ言ったら皆そうよ」
「地和姉さんは違うけれど」
また言う二人の妹達だった。
「姉さんだってそうだし」
「そう。違う名前は言わないこと」
「ううん、妙は本名で」
しかしまだ言う張角だった。
「他の羽由とか真白とか凛とかは」
「姉さん違う名前多過ぎ」
「そんなのあったの」
「気付いたら」
そうだというのである。
「増えてて」
「全く。違う名前一杯用意しても」
「皆すぐにわかるから」
「変装よりも?」
「そう、そっちよりももろばれ」
「今の方がましな位」
その下手な変装でもだというのだ。見れば長姉が一番変装が下手だ。ただ色違いにしか見えない。
「けれどそういう人が多いのもね」
「事実だし」
「多いの」
「っていうか私達の殆どがよ」
「それまた言うけれど」
「お姉ちゃんだけじゃないのね」
それを聞いてまた能天気に笑う張角だった。そしてだ。
「よかったわ。それじゃあ」
「よくないから」
「中の話は洒落にならないから」
「中はなの」
「そうよ。それ注意してね」
「姉さんも中の話は」
妹二人は厳しい一面もあった。しかし能天気なままの長姉であった。
そして劉備達もだ。今彭城に来ているのだった。その話すことは。
「じゃあここが」
「はい、そうです」
「ここがです」
孔明と鳳統が劉備に説明していた。街を歩きながら。街は人が多いが今一つ活気がない。何かが足りない感じがそこにはあった。
「西楚の覇王項羽の本拠地だった場所です」
「そうだったんです」
「歴史のある街なのね」
「そうなります」
「項羽が死んでもこの街は残っていますし」
「項羽はとにかく強かったそうだな」
関羽は強い顔で語った。
「我々が束になっても敵わない程にな」
「それは鈴々も思うのだ」
張飛ですらであった。
「項羽の強さは尋常ではなかったと聞いているのだ」
「今天下で最強と言われているのは」
「呂布だろうな」
趙雲と馬超は彼女の名前を出した。
「あれでようやくか」
「相手にできる位じゃねえのか?」
「そうね。項羽は別格ね」
黄忠もそれを認める。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ