狙撃の時間
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「……その疲労破壊って暗殺に関係あるの?それに見ての通りみんな分からないからさっさと答えを教えてくれない」
流石にこの状況が続くのは不味いと思ったのか速水が代表して丈一郎にギブアップを告げる
「あぁ…大いにある。疲労破壊とは物作りの世界ではよく使われる言葉で、材料が長期間に渡って繰り返し応力を受けると、応力の大きさが材料の引張強さよりかなり小さい応力でも亀裂が発生し、最終的に割れに至る現象であり、この現象は」
「まてまて!何言ってるのか全く分からないからもっと分かりやすく教えてくれないか?」
聞きなれない呪文の様な専門用語をマシンガントークで教えるのは無理があったのか、流石の千葉も理解が追いついていない。不破と三村に至っては理解のキャパが一気に埋まってしまったのか気のせいか頭から煙が出そうな勢いだ。
「すまない。まぁいきなり小難しい話をしても分からなねーか。そうだな簡単な例を挙げるとすれば…
@ 例えば自分が全力で力を加えてなんとか曲げられる位頑丈なスプーンを用意する。
A そのスプーンを自分の力で曲げる。
B 曲げたスプーンをなんとかして元の形状に戻す。
C Aに戻る。
これを繰り返し続けるとどうなるのと思う?千葉」
丈一郎の問いかけに千葉はしばらく考えた後こう答えた。
「そうだな……最初は大きな力を加えないとスプーンは曲がらない。しかしこの行為を繰り返し続けると小さな力でも簡単にスプーンを曲げる事が出来る様になり、最終的には壊れる…かな?」
「正解だ。それが疲労破壊という現象だ。まぁ早い話何が言いたいのかと言うと、どんなに壊す事が容易でない物でも力を与え続ければ簡単に壊れると言う事だ。そして、それは金属に限った話では無く例え最高速度マッハ20で動く怪物だろうが追い詰めて削り続ければ殺せる可能性もグッと上がる。」
そしてここまでの説明で感のいい中村は丈一郎の言いたい真意にが気がついた。
「成る程…つまり相手の集中力を削ぎ、俺達に圧倒的な有利なステージで殺せんせーがこちらの策に対応する前に殺す…そんなとこ?」
「そうだ。それが今回の暗殺のテーマだ。」
◆◇◆◇◆◇◆◇
放たれた弾丸が脳天に当たる3秒前…丈一郎が感じる時が急激に遅くなり始める
(三村が調べあげた情報を元に中村が殺せんせーの気力を削り、千葉と不破を中心に殺せんせーの逃げ道を塞ぐネットを作製し、そのネットを使った罠を速水の機動力を活かし素早く設置…最後に俺が確実に殺せんせーを殺せるであろう瞬間まで誘導する……ここまで緻密に練った策
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